ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第117回 岩切茂さん

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建築家・株式会社TEAM IWAKIRI JAPAN代表取締役
岩切茂さん
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きちんと自分の思ったことを言う文化
- 佐々木
ある意味、さっぱりしてるってことですよね。
- 岩切
すごくさっぱりしてる。あと、結婚に対しての感覚も違うんですね。うち、女の子の従業員が15人ぐらいいるんですよ。だけど、結婚式をやったやつって、たぶん1人いるか、いないか。あとは、結婚しないで、ずっと一緒に住んでるのね。
だけど、会社では、やっぱりパートナーというか夫婦みたいな扱いにしなきゃいけないとか、これもよく分からない世界で。日本で、たくさん女性が会社の中にいたときに、僕がイタリアでやっているようにここでやったら、訴えられるとは言わないまでも、多分拒否されるのかな、と。
- 佐々木
まあ、そんなふうに上司が腕組んで「仕事、どうだい?」って言われたら、確かに訴えられるかも。日本からのお客さんは、おどろくでしょうね。
- 岩切
本当に勘違いするよ。「この会社、ちょっとおかしいんじゃないかな?」って思う。一番怖いのは、「そうさせてるんじゃないか?」って思われちゃうのが困るので、大抵、日本からお客さんが来るときは、「こういう格好は、別に僕が指導しているわけじゃありませんから」って、必ず、ちゃんと言わないとね。だから、うつ病になったりとか、精神的に病んじゃう人は、限りなく少ない。
- 佐々木
つまり、イタリアの人たちのコミュニケーションは開放的だと。
- 岩切
うん。でも、解放感というより、まず、女性とか男性に関わりなく、きちんと自分の思ったことを言うっていう文化と、それを言っていいということが根底にあると思うんですね。僕は、そういうのはいいと思うんですね。
だけど、たぶん日本だと、言いにくいとか、周りを気にするとか、そういうこともたくさんあるんじゃないかな、と。で、確かにイタリアだって周りを気にしているんだけど、でも、やっぱり私は私、というのが、ものすごくきちんとしている。
- 佐々木
東京オフィス、東京では、日本人の方が?
- 岩切
はい。
- 佐々木
じゃあ、東京オフィスとイタリアでは、マネージメントのスタイルが全く違うんですね?
- 岩切
そうですね、違いますね。イタリアのほうが、結構、年齢層が高いんです。女性でも30歳を過ぎている人が5〜6人いて、他も大体皆20代後半。日本は、まだ人数が少ないけど、若い子が多かったりするので、そういったところではいろいろ違います。
今やっているロシアなんかだと、大きな企業は、もう、男の人を採りたがらないんですね。皆、女性を採用する。ロシアは圧倒的に女性が勤勉で、リスペクトがあって、男はダメ、だと。ウォッカを飲んでばかりでダメっていうのがあるのかもしれないですけど。
イタリアは、そういうことはないけど、でも、女性が結構働いているし、働いている女の人に「やってます」みたいな気負いがないよね。だけど、結構きちんと言うことは言う。できるだけストレスを溜めないっていうことなんだと思うんだよね。
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