ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第117回 岩切茂さん

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建築家・株式会社TEAM IWAKIRI JAPAN代表取締役
岩切茂さん
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自分のバックグラウンドに対して、きちんとした自分の意見を
- 岩切
そう。ヨーロッパの連中とやり取りしているときに、自分のバックグラウンドに対して、きちんとした自分の意見を持っていなかったら、認めてもらえないもんね。「何でお前は、こういうものを作るの? お前にとって、これは何なの?」って聞かれるから。
- 佐々木
理由ね。源を。
- 岩切
そう。「これ、ヨーロッパ風じゃん。何でお前が、こんなのを作るの?」って質問が出たときに。
- 佐々木
ちゃんとした理由や背景を語りたい。
- 岩切
そう。自分にとっての日本は何で、自分にとってのヨーロッパは何で、今の自分はここにいる、ということがきちんと言えないとね。
これはデザインとか建築の世界だけじゃなくて、政治でも経済でもビジネスをやるときでも、同じだと思うんですよね。で、わりと、中国人って、こういうことをはっきり言うんですよ。韓国人も含めて。日本人っていうのは、僕も含めて、こういうことが極端に欠落してるんだよね。
でも、逆にいうと、それで得をしている部分も多いかもしれないけどね。本当に膝を突き合せて、ディベートで論破して、こっちに引っ張り込んでくるという強さはないよね。
日本人のコミュニケーションって、こういうことを言うと失礼なんだけど、自分もそうなんだけど、モノを作って「こんなの、見たことないでしょ?」とか「きれいでしょ?」とか言う。それがコミュニケーションになるわけよ。あまりしゃべらなくていいっていうか。
- 佐々木
「どうだ」みたいな。
- 岩切
「これ、すごい」「こんなの見たことない」みたいな、ね。ところが、ヨーロッパのトップマネージメントって、自分をどうプレゼンテーションするかっていう感じでしょ? 一方で日本人の社長って、こういうことをあまり大きい声で言っちゃいけないんですけど、どう庶民臭くみせるか、みたいなことに気を使ったりして。もう、フィロソフィーが違うというか。だから、作ったものを見せて、あまりしゃべらないことに美徳を持ってる。
でも僕は、本当は、バリバリ、ちゃんとコミュニケーションもできないと、今、日本の政治家がヨーロッパとかアメリカに行って、きちんとしゃべりきれてないと思うんだよね。
- 佐々木
ビジネスマンだけじゃなくてね。論理を組み立ててちゃんと言わないとね。
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