ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第115回 藤村良典さん

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藤村良典さん
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我々のアイドルだったから
- 佐々木
また、私のことに戻るんですけど、私、何で藤村さんにかわいがってもらったんだろうな、と思ったら、たぶん高校1年のときに時給400円でバイトを始めてから8〜9年間、ずっと時給が400円だったような気がするんですよね(笑)。値上げ交渉をしないで、よく働くやつ、みたいな。それが、私がかわいがってもらった理由かなって。
- 藤村
それは知らないもの。そういうお金的なことは全然知らない。経理がやるんだから。俺、そういうのはダメなんだよ。
- 佐々木
本当? 私、ボーナス支給の日に、仕事をもらって、違う会場にいたら、全員にボーナスが渡されて、オフィスに帰ったら「かをりちゃん、いなかったから、あげない」って経理の人に言われて。
- 藤村
嘘だ。マジ? それは失礼しました。でも、皆にあげたつもりだよ。だって、封筒書きは俺らがするんだから。
- 佐々木
いえいえ、でも、それなのにブチブチ文句言わないで働いてたから、気に入られてたのかなって(笑)。
- 藤村
いや、かをりちゃんは、やっぱり我々のアイドルだったから。この業界の。話題になってたんだよ。
- 佐々木
話題に?
- 藤村
キョードー横浜のモギリの子は。
- 佐々木
そんなにモギリがインパクトがあったって、今日初めて知りました。
- 藤村
だって、皆そうだよ。コンサートに行って、一番最初に警備員がいて、チケットを切ってもらう部分があるわけじゃない? そこでイメージ悪かったら、そのコンサート、終わりだよね。
- 佐々木
モギリ以外にも、たとえばチケット発売日には、朝から電話を取って予約受付をするとか、オフィスの掃除片付けもしてました。私、高校1年でキョードー横浜でアルバイトをし始めてから、今まで、私、親には1円ももらっていないんです。キョードーだけにお世話になって、大学まで出てるんですよ。
- 藤村
そうだよね。あの頃、すごかったもん、かをりちゃん。「何でこんなに仕事するの?」みたいな。
- 佐々木
(笑)そうでした?
- 藤村
いや、頑張ってるな、って。
- 佐々木
でも、全然、自分では頑張ってないんですよ。別に、親にも頼まれてないし、楽しく働いてたんです。
- 藤村
だから、その辺がすごいんだよ。君は軽く言うんだけど、あの時代に、どこの世界に、傾いた階段を上がってきたのをスタートにさ……。あの辺の行動力だよな。それがかをりの、今の原動力になっているのか分からないけど、あの傾いた階段が、今の一歩だったと思うよ、俺は。あれがなかったら、またちょっと変わった人生を……。
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