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渡邉 美樹さん
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「えっ? そんな事ってあるのかな?」って
- 渡邉
うまく行ってないのは分かってなかったけれども、清算する最後に友人から数億円の現金を借りられたから、清算っていう形で終わったのね。要するに、事実上、完全な倒産なんですよ。でも最後に親友からお金を、当時のお金で5〜6億とか、すごいお金、それを全部借りて。
- 佐々木
当時の5億は、とてつもない……。
- 渡邉
当然、すごいお金だと思うからね。で、それを結局、社員に「給料、半分でごめんね」とか、取引先に「これでごめんね」という事で、全部これで終わらせて、清算手続きに入ったんですよ。
だから、父親は最終的に、大きな借金だけ、自分で個人で背負って、事業を清算したのね。父親は、友達からお金を借りられるとは思ってなかったから、完全に夜逃げ状態になるだろうという事で、秋、10月だったかな、あるとき、僕と姉を二人、前に座らせて、「今から大事な話があるから」っていう事で「実は会社がもう潰れるんだ。ついては、明日倒産っていう事になると思うから、もしかしたら明日の夕方には、この家の中にあるもの全部、赤紙が貼られて、全部無くなるかもしれないから、覚悟してほしい」という話があったのね。
- 佐々木
すごくショックですよね。
- 渡邉
それはびっくりしたさ。「えっ?」と思って、「ちょっと待って」って。
- 佐々木
だって、それまでは社長の息子だし、大きな家に住んでいたから。
- 渡邉
大きなマンションにね。だから、そのときは本当にびっくりした。「えっ? そんな事ってあるのかな?」って。
うちの親は、テレビ関係の仕事をしていたので、町内会でも一番最初にカラーテレビが入ってたんだよね。僕が一番心配したのは、野球が好きだったから、「テレビで野球、どうやって観るんだろう?」って(笑)。テレビがないって一番最初に言われたから、「このテレビがなくなっちゃうの」って。
- 佐々木
テレビ関係の仕事というのは?
- 渡邉
テレビのコマーシャルの制作会社の社長だったの。だから、昔の芸能人やスポーツ選手の方々となんか、すごく交流があってね。だから本当に派手だったの。
- 佐々木
そうですよね。きっと派手な世界にあって、社長の息子だったのに、いきなり赤紙でテレビもなくなるとか、すごく晴天の霹靂……。
- 渡邉
びっくりしたな。
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