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正岡 裕志さん
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中学生だったんですけど、グッと衝撃を受けました
- 佐々木
息子さんは、今、中学2年生とのことですが、息子さんが4代目になられるんですか?
- 正岡
いや、すし屋の職人になりたいって言ってるんです。
- 佐々木
(笑)
- 正岡
僕もそうだったんですけど、やっぱり子どもは子どもなりに、夢っていうものがあると思うので。僕も、彼が「やりたい」っていえば、やらせますけど、一応、夢があるって、じゃあ追いかけろっていうパターンなんです。
- 佐々木
ご自身は何歳ぐらいから、この家を継ぐって思っていたんですか?
- 正岡
私は、中学を卒業するか、高校に入ったぐらいですかね。
- 佐々木
何となく「継ぐのかな」って?
- 正岡
結局、これも親父が絡んでいるんですけどね。私が中学校のときに、学生服、学ランを着ていますよね。で、タオルって毛がつくというか、タオルの毛羽、埃がついているじゃないですか。特に、洗っていないタオルって、いっぱい埃がつくんですけど、黒い学生服を着ていてタオルを抱きしめると、白いのがウワーッて、いっぱいついたんですよ。で、僕、それを汚いと思っていたんです。
で、ある日、友達がタオルを抱きしめようとしたときに、「お前、汚なくなるから、やめろ」と僕が言った瞬間に、親父に「お前は!」って怒られたわけですよ。
「何で飯を食っとるんや!」と。僕は分からなかったんですけど、「お前、うちはタオルを作って売って飯を食うんやろ」って言われまして。そのとき、中学生だったんですけど、グッと衝撃を受けました。
「そうか。うちってタオル屋なんだ。タオルを作って飯食ってるんだ。家業なんだ。馬鹿にしたらいかんな」って。
それから、親を馬鹿にしているわけじゃない、タオルを馬鹿にしているわけじゃなかったんですけど、改めて自分のところの家業なんだなっていうのを思いましたね。
で、高校に入って、文系に行くの、理系に行くのって、「タオル屋さんになるんだったら、文系かな?」とか、その頃から、ちょっと意識しましたね。「じゃあ、文系に行こう」とか。で、「大学に行くのに、何学部に行ったらいいんだろう? タオル屋さんの後を継ぐには、どうしたらいいんだろう?」っていうのを考えたのは、やっぱりその頃ですね。
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