ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第105回 正岡 裕志さん

105 |
正岡 裕志さん
|
|
|
タオルという、今治のこの地場産業を守っていきたいんです
- 佐々木
これから、どういう正岡タオルにしていきますか?
- 正岡
やっぱり、中国産との違いというか。今、本当に、今治タオルが、産地レベルで生き残りを賭けているんですね。タオル屋さん1軒じゃ残れないんですね。タオル屋さんも残らなきゃいけないし、染工場も残らなきゃいけないし、刺繍屋さんも残らなきゃいけないし、プリント屋さんも残らなきゃいけない。
だから、そういった意味でパートナーシップを組んで、タッグを組んで、グループを組んで、今後、タオルという、今治のこの地場産業を守っていきたいんですね。
だから、正岡タオルとして、正岡裕志として、何ができるのか。
大きいことはできないかもしれないですけど、僕にできることでいえば、みんなでやれる仕事を今治に持って帰るっていうか。いいものづくりをすれば、たぶん注文は中国に行かないで、今治に返ってくる。それを信じて、じゃないですけど、実際にそうなろう、と。
自分が粋がるわけでもない、これはもうみんなのおかげや、と。みんながいいものを作ってくれるから、こういう風に注文をくれるんだよっていうのを懇々と言いながら。誰が一番偉いとかじゃなくて。僕が思うのは、上からものを言うのが一番嫌いなので、加工屋さんと目線をいつも一緒にしてやっていくというのは、本当に大切だと思いますね。
いつも例えば「お前、もうちょっと安くしろよ」とか、「もうちょっと何とかせい」とか、ガッと上から外注の加工屋さんにものを言うと、やっぱり仕事ほしさだけになってしまう。そうしたら、嫌々やるんですね。
「商売だから、仕事をもらわなきゃいけないから、もうあの人に言われたことは断れない」とか、これって、僕に言わせれば「笑売」じゃないと思うんですね。一方通行の商売では、いい仕事は絶対にできないと思いますよ。
やっぱり、お互いが目線を一緒にして、お互いが困ったときは助け合って。失敗することは多々あるんですよ。それをみんなでどうカバーしていくか。で、困ったときにどう助けてあげるか。
これを今後もやっていけば、本当に大きい産地というか、中国に負けない、「愛媛県産には愛がある」じゃないですけど、本当に愛情こもったタオルが全国に、世界に、発信できればな、と思いますね。
対談を終えて
2006年秋に初めてお会いしたときから、そのお人柄に魅了されてきました。タオルのことを話し始めたら、止まらない。一緒に話していても、引き込まれていきます。本当に、自分たちの仕事にプライドを持ち、その仕事は、相手のため、タオルを使ってくださる人たちのためという想いをしっかりもたれているのです。……四国、愛媛県今治は、本当にいいところでした。瀬戸内海、加茂川、山々。自然豊かで穏やかな気候が、やさしい気持ちにさせてくれます。朝6時出発で、3時間もドライブして川の源泉を探してくださったり。いい思い出になりました。是非また行きたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。
26/26
|
 |
|
|