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Darcy Neillさん
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ビジョンとは、成功したらどんな状態になるのかというイメージやアイディア、感覚だと思います
- 佐々木
ビジョンについて話題を移したいと思います。「第12回国際女性ビジネス会議」で、ビジョンクエスト(探求)の話をしていただいたのですが、ダーシーにとって、ビジョンの定義は、どんなものですか。
- ニール
私にとって、ビジョンとは、成功したらどんな状態になるのかというイメージやアイディア、感覚だと思います。どんな状態に「すべき」か、ではなくて、理想はどんな風になれるのか、ということです。
人によっては、とても具体的な目標の先の成功を描くでしょうし、人によっては、もう少し体験的なことをイメージするかもしれません。
時に、仕事のオファーをもらったけれど、どうしようか迷っていると相談を受けることがあります。でも、もし、国際的な仕事をしている人ならば、私は、2つの視点のどちらかで選ぶことを提案しています。
一つは、仕事の内容にこだわる。その仕事ができるなら、場所はいとわない。どんな場所でも行って、その仕事をする。たとえば、ミュージシャンなら、「演奏させてくれるなら、どの国にも行きますよ」ということです。
もう一つは、住みたい場所がある。たとえば私が日本に住みたいと思っているならば、どの会社でもいい。日本に住めるようになるなら、職場は選ばない。ということなのです。
ビジョンはそういうものです。ビジョンは、変化するのです。ですから、私の、今のビジョン・ステイトメント(ビジョンを文章化する)と、「チャレンジングな顧客と、ワクワクするような場所(土地)で、熱望する仕事をする」ことなのです。
ですから、誰かから電話がかかってきて、「インドネシアで仕事があるよ」「トルコに、いい仕事があるよ」といわれたら、すぐに引き受けて飛んで行くでしょう。是非住んでみたい場所だからです。でも今は、キャリアを歩む中での一つの節目にいます。私には、子どもはいませんから、大学の学費を支払わなければという心配はないのですが、老いた母と過ごす時間を増やしたい、と今は思っています。それが平和部隊を退職した理由でもあります。
ですから、ビジョンの感覚は全く変わりませんが、その表現方法は、変わってくる。小さな子どもがいる人は、母親としての存在理由を基本に、選択をするでしょう。
自分自身が何者で、何が上手いのかを知っていれば、よいのです。自分が持っている能力を知り、それが活かせる職場や環境を見つけることが幸せの第一歩であると考えている知人もいます。つまり、たとえば私が会計士として就職することは、苦痛以外のなにものでもないということです(笑)!
ただ、そういう人もいるのです。それで燃え尽きてしまうような人が。人によっては経済的な理由や家族への責任からどんな仕事でも受けなくてはならない、という人もいるでしょう。でもそんなときに、仕事自体に怒りをぶつけても意味がありません。発想を変えるのです。「ああ、この仕事のおかげで、家族を、自分の力で養うことができているんだ」などと、ね。自分のやっていることの捉え方を再度広げてみて、やっていることへの抵抗がないようにしていく。自分自身に、選択肢がいっぱいある、ということを体験するのです。
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