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Darcy Neillさん
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それが「教える」ことと「体験型トレーニング」との違いです
- 佐々木
そこで(私たちは)出会ったのですね。随分昔のことです(笑い)。そこでは通訳として出会ったわけですが、その後私を、通訳からトレーナーに昇格させてくださいました。自分で聴くのも変ですが、それは、何か、私にトレーナーになれそうだという、何かを見出された、ということだったのでしょうか。今まで一度も伺ったことなかったので。
- ニール
その通りです。まず佐々木さんは、生まれついての旺盛な好奇心を持っていると思ったのです。通訳なのに「なぜこういう言い方をするのですか?」「なぜ参加者はあんな風な反応をしたのだと思いますか?」など、私にいろんな質問をぶつけてきました。
そして、トレーニングの目的を、深く理解していました。参加者の反応を引出し、可能性を広げ、自らの力で解決策を探し出させるように導く。こちらから、何かを教えるのではない、ということを。
それが、「教える」ことと「体験型トレーニング」との違いです。教えるというのは、長期間かけて知識や情報を伝達していく、というものでしょう。
それが多分、大きな部分でしょう。先ほど話に出た「責任」のニュアンスなど、まさにそうでした。予想していたような反応が受講者から得られないと、あなたといろいろと話しをしました。あなたは、常に、受講している人たちの反応や、彼らの心の中で起きていることに、とても興味を持って、取り組んでいました。
覚えているでしょうか。言葉をただ、縦から横にするのではなく、その意味を伝えるということについても、何度も話しましたよね。それで私も、途中からは、佐々木さんを信頼して、私の代わりにメッセージを伝えてもらうこともしました。私の話を訳しているより短くてすむ。それは、あなたを信じていたからこそです。あの時のあなたは単なる言葉を訳す係りではなく、すでに、ジュニア・トレーナーの役割も果たしてくれました。
- 佐々木
なんどかトレーニングを続ける内に、ダーシーが立ち上がるだけで、私は、誰に何を伝えに行こうとしているのか、わかるようになりました。まるで、あなたの気持ちが乗りうつったように。
- ニール
そう。体験型トレーニングの通訳は、言葉だけではなく、話し手の気持ちやエネルギーも正確に伝えることが大切な仕事でした。きっと私の場合は、あまりにたくさんの国に行き、異文化での生活をしたために、英語がよく通じない場所で、言葉ができない分、エネルギーなどの言葉以外の要素で補おうとしたのかもしれませんね(笑)。国によっては、伝えたいことを上手く伝える単語が存在しないこともあるので、ね。
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