ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第101回 渋谷 和宏さん
一度も落ちないっていうのはすごい。でも何でロジカルシンキングで当たるんでしょうね? 論理的でない人が多い気はするのですが(笑)、そのテーマに皆が惹かれるとは意外ですね……。
僕もあそこまで売れるとは思わなかったんですね。でも、そういう経験を通して今、ようやく分かってきたのは「逆Tの字型の企画は当たる」「Tの字型は当たらない」ということです。 例えばロジカルシンキングは職種や業種にかかわらず関心を持たれるテーマですよね。営業の人も企画の人も、あるいは総務のような管理部門の人も読んでくれる可能性があるので、読者の裾野が広い。一方でテーマ自体は非常に絞り込まれています。思考力の中でも論理力に特化しているわけですから。これを僕は逆Tの字型と呼んでいるのですが、ヒットするのはまさにこのような構造を持った企画なんです。 対照的なのが営業の特集です。営業の特集は営業担当者しか読まない。そういう点では裾野は非常に狭いですよね。一方で営業と一口に言ってもB to Bの営業とB to Cの営業とでは求められるスキルも知識も経験もまったく違う。ルートセールスが営業ならクレーム対応だって営業です。つまりテーマは絞り込まれているようで実は絞り込まれていない。構造を絵にするとTの字型になり、こういうのは本当に売れないんですよね。実際、営業の特集は月刊時代も合わせて何度か挑戦してみたんですが、1つとして売れませんでした。
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