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私の視点

「危ない」指導者

藤田正美(ふじた・まさよし)
『ニューズウィーク日本版』編集主幹

2003年4月12日

イラクの首都バグダッドがついに制圧されました。クウェートから入って3週間、一時「長期化」が懸念されましたが、おおかたの予想を裏切って当初の楽観論に近い展開となっています。それにしてもフセイン大統領はどこに行ったのか、それが気になりますが。

大義はすり変わった?

「勝てば官軍」というわけでもないでしょうが、開戦の一つの理由とされていた「大量破壊兵器」はいまだに見つかっていません。まあ、イラク軍が化学戦用のマスクや防護服、マニュアルを持っていたということからすると、どこかにあるだろうという憶測できますが、「決定的証拠」とは決して言えません。

それでもアメリカは、イラクを民主化できれば「大義名分」は成り立つと考えているでしょう。アメリカによる統治ではなく、イラクの国民による統治ということを前面に押し出しているのも、そのあたりを意識しているからだと思います。とはいえ、国連にも加盟している独立国(独裁者が支配しているかどうかは無関係です)を他国が軍事的に介入することは正当かどうか、という大きな問題は残ります。

国連の限界

そういった軍事介入をなくすために、国際連合という組織ができたのですから、本来ならば国連が前面に立って解決すべき事柄だったかもしれません。しかし国連は結局この問題を解決することができませんでした。というのも、国連は紛争を予防するのではなく、紛争が起きたら調停するのが役割ですし、なおかつ、人道的な問題を除けば、どちらが正しいか正しくないかを決めるのは容易ではないからです。しかも、今回の戦争は米英軍の「先制攻撃」でした。つまり「脅威」の段階でその芽を取り除くというのですから、どれほどの脅威なのかということをめぐって、喧喧諤諤(けんけんがくがく)の議論になることはわかりきった話です。その議論を国連で調整するのは、各国の国益が絡むため、非常に難しいでしょう。

湾岸戦争のように、他国を侵略した軍隊を追い出す場合、利害の調整はあまり必要ありません。湾岸戦争のときも、バグダッドまで進攻すべきだという声がありました。しかし、それは「やりすぎ」ということで米軍はイラクから引き揚げたのです。その結果、フセイン政権に対抗して蜂起した南部のシーア派は、結局フセイン大統領に弾圧されました。あのとき、フセイン政権を打倒していれば、その後のイラクに対する経済制裁もなく、今回の戦争もなく、中東の状況はもっと良くなっていたのかもしれません。

おかしな指導者

独立国というものは、指導者がそれなりに立派な人物であることを前提にしています。ほとんどの国に関して、この前提は当てはまります。しかしたまには指導者がおかしな人ということもあります。イラクのフセイン大統領はその一例でしょうし、中国の毛沢東の晩年もそうだったと言えるかもしれません。北朝鮮の金正日はどうでしょう。危ない指導者をその国の国民が「代えられる」場合はいいのですが、独裁国家になるとそうもいきません。そしてその指導者が国際社会にとって脅威である場合、国際社会はいったい何ができるのかと考えると、実際には何もできない、というのがこれまでの歴史でした。現に、イラクの場合は、湾岸戦争から12年もたっているのに、大量破壊兵器がすべて破棄されたかどうかを確認できませんでした。

いくつもある大統領宮殿や国際空港に用意された専用室を見れば、フセイン大統領が決していい指導者ではなかったことは明白です。金で作られた洗面台を一つとっても、国民の生活水準を考えると、とんでもない代物です。それを国民が許していたとは到底思えないのです。そんな人物が国際社会の脅威になったときに、それを排除することが許されるのか、これはとても難しい問題です。脅威の程度、排除の手段を誰が判断するのか、決まっていないからです。

究極の選択

国連は各国の利害を調整する機関であり、決して各国の上に立つ「世界政府」ではありません。国連よりももっと統一された組織であるはずのEU(欧州同盟)ですら、今回の問題では深刻な対立が生じました。まして世界の170カ国が加盟する国連で、統一見解などできるはずもありません。統一見解をつくるための努力が十分になされなかったということから、「アメリカ外交の失敗」という見方も生まれるのですが、実際にそれを続けていれば結論は永久に出なかったかもしれません。

もちろんアメリカの一極支配がいいとは言えないのですが、世界のあちこちに危険な指導者がいる状態(日本のすぐ隣にも日本人拉致を命じたり、核兵器を欲しがったりする国があります)と比べてどちらがいいかと聞かれれば、アメリカのほうがましだとも思えます。なぜなら少なくともアメリカは大統領任期は最長で8年ですし、政権交代すれば当然政策も変わるからです。

戦争によって問題を解決するのは「最後の手段」であることは明白です。多くの犠牲者が出る戦争は、指導者として避けなければいけない手段でしょう。でもそういった人間として当然の倫理観を共有しない指導者がいたとき、果たしてどうすればいいのでしょうか。その問題はもうすぐわれわれ日本人が直面する問題でもあるでしょう。まさかアメリカ任せというわけにはいかないと思います。みなさんはどうお考えになるでしょうか?

イラク戦争に関する過去のコラム

>2003/4/5 意のままにならない
>2003/3/29 「……と、言われています」
>2003/3/22 イラク戦争「後」



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