皆さんこんにちは、今日もたくさんの投稿をありがとうございました。この円卓会議で「ストレスコントロール」について、関心を持っていただければと思います。では早速、投稿を見ていきましょう。(スペースが限られるため、詳しくお話を聞いたり、細かいアドバイスが出来ないのが大変残念です……!)
■「思考を図式化」の真打ちさん(栃木県・パートナー無・39歳)、
すばらしい、すごいですね。私は大学院1年生の時に『健康の謎を解く』という本の著者、A.アントノフスキーの理論というのを勉強させられ、思考の視野を広げるという考え方を理解するのに長くかかりました。「思考の図式化」という言葉は、心理学や医学や哲学の世界でよく使われますが、心理学には交流分析という有名な思考の図式化もあり、なかなかマスターが難しい分野です。
アントノフスキーは、ストレスとの上手な付き合い方について、「まず自分のストレスは何かを把握すること、それにどう対処できるかの能力をつけること、しかし最も大切なことは、把握して対処している自分に価値を見出すことである」と説いていました。なかなか難しい言葉ですが、自己達成感を持てということでしょう。
39歳でいらっしゃると、お仕事、生活面や社会面でも立派な大人であることを回りから期待されることがあり、ストレスから感情的にならずにいられないこともあるでしょう。これからも物事の本質を見失わないように、そして、自分の価値を忘れずにいてください。
■「疲労?でやる気が起きません」のEkkoさん(東京都・パートナー有・46歳)、
円卓会議1日目のコメントに「自分のストレスがどこにあるのかを探し当てましょう」なんて私いいましたが、そう書くことは簡単ですが、実行は難しいのが現実なのです。私が病院などでお会いするみなさん、そうです。例えば「今一番お辛いのは何ですか?」とお聞きしますと「先生、なにもかも全部! ぜ〜んぶです」というお答えも珍しくありません。そのくらい、どこにストレスがあるのかを探しあてるのは時間がかかるのです。
逃避、と言う言葉がありますが、わたくしも何かしらの理由をつけて逃避しているではないかと思う行動もたくさんあります。でも、それではどんどん自分を追い詰めていってしまうばかりです。「子どもを寝かせると自分を眠くて眠くて……」と投稿に書いてありました。ユングは夢の研究をした世界的に有名な学者ですが、彼の考えた概念に、夢を見るのを楽しみにする自分の時間と世界というのもあります。楽しい夢を見れますようにと、ぐっすり寝て、夢を見ないほど熟睡している自分がいれば、ストレスコントロールがまずまずうまくいっていると言えます。
そして、ストレスコントロールの第一歩は、自分の時間を作ること。「自分の時間をまず確保」と思う。そして次は何をしようかなと、こういう風に順番をつけていってみてください。
■「ストレス感じています」のANNEさん(佐賀県・パートナー無・40歳)、
引っ越し、移動、仕事が変わること、これらをライフイベントと呼びます。ライフイベントに精神的なストレスが加わると、身体的な病状が出てきてしまうことがあります。特に住み慣れたところから、自分の意思ではなくて転勤をしなければならないとかは辛いライフイベントです。お嬢様の受験もお子様にとって、大変大きなライフイベントです。「引っ越しさえなければ、受験しなくてもよかったのに」というお子様のお気持ちはよくわかりますよね。子どもは子どもなりに辛いのでしょうね。
お嬢様は受験したくないのでしょうかしら。地元の小学校がなじめないからとありましたが、それはご本人の感想で、ご本人がどこか遠くの中学に受験したいとおっしゃってるのでしょうか。そこを、親の意見は後回しにして、確認するのが大事です。そしていったん受験すると決めたら、「受験なんかやらなくてもよかったのに」ではなくて、「さあ、人生のシナリオを書き変えて、今の環境から抜け出すんだ」と、母と子が一丸となって突破することです。期間限定のがんばりぬきですもの。朝は「えいやー!」と声を出して起きるとか、何か発見あったらと期待しています。
■「色々なコンプレックスが……」のオツルさん(大阪府・パートナー無・34歳)、
いえいえ、気持ちの問題ではありません。なにかのスポーツのプロでいらしたのですよね。それだけでも、おおよその人たちと比較して精神的には鍛練されていらっしゃるはずです。コンプレックスがない人間などいません。むしろ人間なら「コンプレックスをどう利用して生きているか」を考えてみたほうがいいぐらいに、私たちはコンプレックスだらけの生きものなのです。
なによりも、遊びは嫌なものは付き合わないことです。これぐらいストレスが溜まることはありませんから。恋愛でも遊びでも、その時間を過ごすと自分が「心晴れやか」という状態になるものは何か、探検してみたほうがいいです。何か見つかったら、報告してほしいぐらいワクワクです。
さて今回皆さんから寄せられた投稿から、「ストレスと上手に付き合うためには自分のストレスに気付くことがまず大切」ということが見えてきました。それでは「どんなストレス対処をしたが成功しなくて困っているか」について、次回はご投稿いただき解明していきたいと思います。引き続きたくさんの投稿をお待ちしています。どうぞ宜しくお願い致します。
石井苗子 保健学博士・ヘルスケアカウンセラー・女優 |
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