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人の顔を見ずに売る ―仕事への疑問
自分でバイヤーもしながら、店長として販売スタッフを教育し、店舗をプロデュースする。今でこそ笑って話せる「ノルマ」だが、現場ではそれが最優先の課題になる。いつのまにか「売る」ことだけに意識がいってしまう。
私は、障害者の方に洋服を作って届けた時の喜ぶ姿を見てる、でもその反面、店長として、自分が売りをたてるために、人の顔を見ずに、どんなに相手に似合わなくても、「似合いますよ」って売ってる。そんな自分が、すごくイヤだったんです。
販売トークって、「これは今流行だから売れてますよ」という売り方になってしまう。それだと、どこで買っても同じですよね。でもそんなはずはない。服にはもっといいものが絶対あるはずだと思って。自分が作った服が障害者の方にあれだけ喜んでもらえるんだったら、私はそれをやっていきたいなと思った時、自分でブランドを作っていきたいという思いがつのってきたんです。
現場での売るという至上命題に疑問を感じ、自分のブランドを立ち上げたいという思いを募らせる井崎さん。いよいよ起業へと向かう。
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