節電、省エネというのは、電力不足に備えるばかりではありません。エネルギーを効率的に使い、賢いライフスタイルを実践すれば、家計の節約にもなりますし、省資源、地球温暖化の防止にもつながります。
エネルギーの多くは、石油・石炭など化石燃料の燃焼によって得られますが、燃焼にともなってCO2が排出されます。大量のエネルギーが消費されて大気中のCO2濃度が上昇すると、宇宙に放出するはずの熱が大気中に封じ込められて温室効果が進み、深刻な地球温暖化へと向かってしまうのです。
地球温暖化防止条約・京都議定書で日本は、温暖化ガスの総排出量を2008〜2012年の期間に、90年に比べて6%削減すると約束しました。けれども、2000年度の排出量は13億3,200万トンと、90年に比べて8%増加。家庭でのCO2排出量は約20%も増えています(環境省資料より)。
地球温暖化は、現在の生活と未来の生存にかかわる深刻な問題。かといって、わたしたちの生活は、エネルギーを使わずには成り立ちません。暮らしの中でできるのは、無駄を省いて上手にエネルギーを使い、効率よく合理的に省エネを行うことです。前述の携帯電話の待機時消費電力を例にとると、もし全国で年間約1億8,000万キロワット時の電力が削減できれば、原油ドラム缶約21万本、CO2約6万トンが削減できると換算されます。 ※この記事は2003年掲載時の内容です