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株式会社マーケティング・エクセレンス マネージング・ディレクター
戸谷 圭子さん
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マーケティングとは「売れる仕組みづくり」です
- 佐々木
戸谷さんは「マーケティングって、マス広告とは違いますよ」と書かれていましたよね。まったく同感です。マーケティングとは何だというふうにお考えですか?
- 戸谷
「売れる仕組み作り」。一言で言うと、そういう言い方をしていますね。セールスは、目の前のお客さんにいかにうまく売るかの問題ですが、マーケティングは、目の前にお客さんを連れてくるところも含めた仕組みを作るものです。それには、お客さんが買いたい商品がなくてはいけませんし、いいものがあるということをお客さんに伝える広報だとかプロモーションだってなくてはいけません。お客さんが買いに来れるようにチャネルも整備しなきゃいけません。そういったものが、セールスも含めて全部マーケティングの中に入るんです。
- 佐々木
そうですね。マーケティング部の中に、本来は、その仕組みを作る企画や広報のような機能があったらいい、という考え方ですね。
- 戸谷
そうです。そこで、金融サービスの、というかサービス業の特殊性というのが出てくるんですね。ものづくりでは工場での製造・生産管理と、マーケティングは当然、別でいいと思うんですけれど、サービス業って生産と消費が同じなんですね。その場その場で作っているから。ですから、売る人が非常に重要なので、そこの人材育成だとか人事制度というのも関係してくるわけです。
マーケティングミックスの4Pってよく言われますけど、サービスマーケティングは7Pなんです。普通の、モノの材の4Pにプラスして、『人』というところと、『生産のプロセス管理』、それから『目に見えないものを見える形にする』、これは広報・広告宣伝もすごく関わるんですけれども、その3つもやらないといけない。で、それを全部見るということになるので、ある意味、本当に経営戦略そのもののわけです。
- 佐々木
よくわかります。
- 戸谷
金融庁はまだいろんな規制をしようとしていて、自由化されたにも関わらず、金融庁が怖いから、といって金融機関がやれないことはすごくたくさんあるんです。だから、佐々木さんのような方から外圧をかけて欲しいですね。金融庁をもっと、本当の消費者保護をするような方向に。
金融庁が金融機関に対して消費者保護という名目で出す指示は多いですが、金融機関の受け取り方は、お客さんのためではなくて、自分達を金融庁から守るために対応しなければいけないこと、なんですね。金融業界では『金融庁リスク』と呼んでいます。
そういう方向で動いていますから、金融庁が何か一言言うごとに、皆「キャーッ!」みたいになって反応する業界なんですよ。そこをどれぐらい認識しているのか。
金融庁がやれと言ったことに対して過剰反応するということが、金融機関の改革や本当の自由化のどれぐらい障害になっているか、結局その付けを消費者がどれだけ払わされているかということを、金融庁がもっと認識してもらわないといけないんです。
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