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株式会社マーケティング・エクセレンス マネージング・ディレクター
戸谷 圭子さん
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ターゲットを見極める
- 戸谷
欲しいわけではない。投資信託はリスクもある商品で、内容がよく分かっているわけでもなくて、ただ仲がよくてとか、取引の状況で付き合いがあって頼まれたから、仕方なく買っているという人たちがいる。そういう人たちは、使う予定がまったくないカードローン口座も、お願いされてもっていたりする。
で、ターゲットとして出てきたまだ買っていない人たちっていうのも、やっぱり要らない商品をたくさん買っていて、その人たちに、今度は渉外が行くんではなくて、ダイレクト・メールとか電話とか、そういったもので、もう一度お願いしましょう、と。ひたすら、要らない商品を買っている人たちにお願いをしていくためのモデルを作ってしまった、と。お願いに弱い人たちが、リストアップされただけなんですね(笑)。で、「これは違う。マーケティングじゃない」と。
- 佐々木
そうですよね、ひどい話(笑)。
- 戸谷
お願いセールスのツールが、人からITになっただけなので、そんなことをお客さんは望んでいない。自由化されて、これからいろんな商品だとか、いろんな業界が入ってくる中で、お願いセールスにこれからも頼ってやっていくというのは間違っている、先がない話だという風に思ったので、限界がありますということを、お客さんにも、社内でも、かなり声高に言ったんですね。
で、途中の、「ない情報」は、やっぱりお客さんに聞かないと分からない。だから、聞く。「地道に調査をしなきゃいけないです。これだけで結論を出すのは危険です」ということを言ったら、コンピュータ屋さんとしては、「箱が売れればいいので、要らないことを言ってくれるな」という感じになってしまって。
これは独立してやらないと、コンピュータが常についてくる状態でマーケティングのコンサルティングをするというのは無理だ、と。
- 佐々木
彼らにとって、売らなきゃいけないものはコンピュータのシステムであって、極端に言えば、マーケティングの内容ではないということですよね。要するにコンピュータ化したらどれだけいいかということは宣伝してくれるのはいいけれども、それ以外は要らないということだったんですね。
- 戸谷
そうなんですね。だから、そこでもやっぱり顧客の視点というのが欠けていて、銀行も顧客の視点を持っていない業界なんですけれど、コンピュータ屋さんも、これから長い付き合いをしていこうという時に、そういう売り方をしている。
実は内部で気づいているわけですから、気づいていることを言わないで売るというのは、関係性が壊れますよね。
じゃあ、箱がついてこない、自分たちでやりましょうというので、その時に一緒に仕事をしていた栗田(康弘)と、起業したんです。
- 佐々木
いま、一緒に仕事をされている栗田さんも、同じコンピュータベンダーにいらしたんですか。
- 戸谷
そうです。
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