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高橋 伸子さん
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「投資信託や変額年金を買う方は、株と債券の基礎知識が必要」
- 佐々木
いろいろ伺うと、やはり、高橋さんは、相当なつわものだなと(笑)。どんな方なのかがだんだん分かってきたんですけれど、そういう高橋さんの目で見ると、今の金融に関しては、リボ払いの話から、国民年金の話から、さまざま言いたいこと、あるのでしょうね。
- 高橋
おかしいと感じると「おかしい」って、つい声を出してしまうんですよね(笑)。
- 佐々木
今、山ほど問題があると思うんですけれども、どういうものがありますか?
- 高橋
保険や消費者金融の問題は顕在化していて深刻。潜在的な問題は、投資信託や変額年金など、お任せタイプの投資商品ですね。よく売れているようですけれど、「本当に皆さん、分かって買っているの?」って心配しています。
- 佐々木
分かっていない場合が多いですよね。
- 高橋
多いです。手数料や運用成績の見方も知らないまま……。「投資信託や変額年金を買う方は、株と債券の基礎知識が必要ですよ」とも申し上げたい。
でもね、一般の方は「分からないからプロに任せるんです」と言い、売る側は「お任せください」と言う。売る人は運用のプロではなく、販売のプロ。ここに大きな問題があるわけです。「商品の仕組みやリスクも分からない人に投資商品を売ってはいけない」と思って、私はこの10年、大蔵省、そして金融庁で、消費者や投資家を守るルール整備に関わっています。とにかく金融取引のルールが一般の方に優しくないでしょ?
- 佐々木
そうですよね。全然優しくないですよね(笑)。国民生活審議会でも新しく、「消費者の安心、安全」というテーマを審議することになりました。例えば、振込め詐欺とか保険の問題とか。いくら消費者に教えても、どうしても学べていない、特にお年寄りなどがいらっしゃると、どういう風にしていったらいいか。
- 高橋
私も国民生活審議会の委員を2回ほどやりました。重要な審議会なのでがんばってください。私は去年、消費者契約法の改正で、事業者寄りの法案を推進した官僚をやりこめ過ぎて、再任されず首になっちゃいました(笑)。国会でリベンジ、法案修正にこぎつけてほっとしましたが。
委員当時、消費者保護法の大改正で、「保護」の2文字を取って、消費者基本法にしました。それに関連して消費者基本計画を作る仕事にも関わりましたが、高齢者への対応はむずかしいです。
15/28
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