ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第82回 丹下 一さん

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丹下 一さん
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劇団に入ったきっかけ。チームの一員になりたい
- 佐々木
いつ頃から俳優になりたいと思ったんですか?
- 丹下
僕、劇団に入った時は、舞台美術をやってみたくて入ったんです。俳優なんて、全然。自分なんかにできるはずもない「僕なんか、そんな、とてもじゃないけどできません」って思ってた。ただ、アングラですけど、演劇というものを観て、「素晴らしいな」と思って、「こういうのを作るチームの一員になりたい」と思ったんです。
- 佐々木
それは、いつ頃観たんですか?
- 丹下
高校生の時。17歳ぐらいで。
- 佐々木
1人で?
- 丹下
友人と2人で。喫茶店に行ったら、劇団の座長がマスターで、切符を売りつけられたんです。「高校生だから安くしてやる」とか言われて。「いいから観に来い」って。
行ったらね、すごく面白かったんです。本当に面白くて、びっくり。「こんな世界があったんだ」と思って。まさか自分が舞台に立つなんて、とても考えられなかったんですけど、「こういうお芝居を作るグループの一員に入れてもらえたらいいな」って思ったんです。
で、高校生3年生のときに、教育実習生が来たんです、女性の先生が。そしたら、そこの劇団の劇団員だったんです(笑)。舞台を観に行ったら「あの先生が舞台に出てる!」と。
- 佐々木
また奇遇ですね。
- 丹下
奇遇ですよね。それでもう、がんじがらめ。完璧。なんか「あいつは絶対うちに入れてしまえ!」っていうことで、いっぱい縛りをかけられてですね(笑)。そのときが18歳。大学に入ったらすぐ「うちに来い」って言われて。
それで、だまされたんですね。スタッフ志望だといったら「スタッフをやるためには、まず役者をやらないと分からないから」って。それで何も知らないから「そうなんですか」って。
- 佐々木
よく、逆を言われるのは分かりますね。「役者をやりたいならスタッフやりなさい」って。
- 丹下
でしょう? なのに「まず役者をやらないと、スタッフの仕事もわからないから」とか言われて(笑)。それで、その日から体操して、発声だとか「ワーッ」とかって。
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