ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第82回 丹下 一さん

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丹下 一さん
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芸能界に行ける人、ではなかった
- 丹下
やっぱりスターであるっていうのと職業俳優であることは、スタンスがやっぱり違いますよね。
- 佐々木
違うんですか。
- 丹下
僕、21〜22歳のときに、ちょこっと行きかけたことがあったんですね。
- 佐々木
行きかけたというと、スターに?
- 丹下
そんなんじゃないんですが、僕の顔が広告に使われて電車の中にバーッと貼ってあるみたいなことが、ちょっとだけあったんです。
- 佐々木
それは、ブレイクしそう、という意味ですね?
- 丹下
そんなたいしたもんじゃないんですが、「あいつ誰だ?」みたいなふうになったりしたことがあったんです。本屋に行くと、本屋さんの袋に全部自分の顔が印刷してあるわけですね。その袋を皆が持ってる。もちろん役者だから、最初はすごくワクワクドキドキ、「皆、見て見て」っていう気持ち。親も喜ぶ。
- 佐々木
そうですよね。
- 丹下
それが2〜3週間たつうちに、「俳優は体を食われる職業」って聞いたことがあったんですが、その感じがわかるようになったんです。写真なのに、自分の体が消費されていく感じ。「これを自ら進んでやれる人達が、芸能界に行くんだ」とわかりました。そして「僕にはちょっと無理だな」と思いました。本当に。
- 佐々木
だけどスターになるための道具としてではなく、本質として俳優業はもちろん好きだったのですね?
- 丹下
大好きなんです。
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