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パトリック・ダヴィッドさん
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現地で、継続的に、医療支援するために
- ダヴィッド
被災した大勢の人たちに食事と安全に眠れる場所を与え、彼らが生き延びていけるように、私たちのチームは少人数ではありましたが、できる限りの努力をしました。大災害が発生した直後に、大人数の医療専門家チームを現地に送りこむことはできません。「参加したい」という電話がたくさんかかってきましたが、直ちに大勢の医師を現地に派遣することはできませんでした。
- 佐々木
わかるような気がしますが、一方でニュースなどを見ていると、どうしてもっと現地に救援チームが行かないのだろうと、歯がゆく思うこともあります。
- ダヴィッド
理由は、大型医療チーム派遣の前提条件に、現地における物資輸送のルートの確保を含む後方支援体制を整えることがあるからです。
大きな医療専門家チームを派遣する場合、まず彼らが現地で生活し、活動できるように、そして病院の機能を回復させるために、食料や電気などのエネルギー源の確保が必要なのです。
基本的インフラが整わないうちは、小さなチームのほうが効果的に動けます。現地の状況が劣悪な災害・紛争発生直後に大きなチームを送り込むのは、かえって非効率だというのが私の考えです。
- 佐々木
活動の規模は、徐々に、継続的に拡大するほうが、いいのですね。
- ダヴィッド
そう、活動の規模は段階的に拡大するべきです。パキスタンの地震被災者救援のためにも、私たちは現地にチームを派遣しましたが、実は地震の前から、私たちはカラチに医療救援チームを派遣していたので、地震発生直後から現地からの情報がたくさん入ってきました。おかげで、私たちのパキスタンでの活動は現在も非常にうまくいっています。現地チームと新たに派遣したチームが協力して効率良く活動しているからです。
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