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パトリック・ダヴィッドさん
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メディアが忘れた人たちを、私達は救うんです
- 佐々木
「世界の医療団」の、"メドゥサン・デュ・モンド"という名称は、フランス語ですね。
- ダヴィッド
はい。メドゥサンは「医師」、デュ・モンドは「世界の」ですね。文字通り、世界各国からボランティアの医師や看護師が集まってくれています。本部はパリですが、現在(2006年)はフランスをはじめとする12カ国に代表部があり、4カ国には海外支部があります。そのうちの1つが日本支部なんですよ。
- 佐々木
そんなに大きな国際ネットワークができてるんですね。資金をはじめとする支援体制はどうなってるんでしょう?
- ダヴィッド
組織の独立性を保つために、団体には依存していません。特定の国、国際機関からは、完全に独立した立場で救援活動を行うためです。ですから資金は、民間・個人からの寄付がメインです。資金の65%ぐらいがそうです。残りは、国連や各国の公的機関からの援助です。これは35%以下に制限しています。
- 佐々木
制限している、というのは?
- ダヴィッド
それは、私達の使命が2つあるからなんです。1つは、紛争や災害の被災地など、閉ざされてしまった場所で医療活動を行うことです。人道的医療支援ですね。
で、もう1つの使命は、医師が自らの目で見た現場の状況を、広く世に伝える・訴えるということです。メディアが伝えるのは、紛争や災害の発生直後の映像、出来事です。紛争や災害が長引けば長引くほど、メディアからの注目は減ってしまいます。
- 佐々木
そうですね。私も報道に少し身を置きましたのでわかります。紛争は、長くなればなるほど、支援が必要なはずなのに、人々の関心が薄れてしまい、現場に支援が届きにくくなる。
- ダヴィッド
ですから「世界の医療団」では、「見放された人々」を医療支援と「証言(アドボカシー)」によって救うという2つのことを使命にしてるんです。
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