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陰山 英男さん
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学力低下の理由、その1は……。
- 佐々木
先生は、子どもたちを教えながらいろいろとデータも集められたと思うのですが、どういう現象を見つけられたんですか。
- 陰山
まず最も象徴的なのは、体力の低下。子どもたちの問題行動のデータを文科省が毎年とってるんですよね。これがかなり正確なんですよ。子どもたちの心の問題と体の問題はですね、1981年と1992〜93年、この2つの時期に、一気に悪くなることを2回やってるんです。
1981年(昭和56年)は校内暴力が最も激しかったときでね。その時期から何が起きたかって言うと、バブルの膨張から崩壊へ向かう、日本の経済が非常に激動した時代なんですよね。例の空白の90年代に向かっていくときなんだけれども、あのときに日本の社会状況がものすごく大きく変化して、決定的になったのは、社会が夜型化したっていうことなんです。
- 佐々木
夜型化ですか。確かに、だんだんテレビ番組も遅くなり、深夜営業のレストランやコンビニもできてきた。
- 陰山
そうです。学力低下の最大の理由を1つ言いなさいって言われたら、僕は睡眠不足だと思ってるんですよ。教育学的に言えば陳腐でしょう。睡眠不足なんて、そんな単純な、っていうね。
でもね、単純なものが決定的なんですよ。それくらい、子どもたちの睡眠状況ってものすごく悪い。それを食の悪化が拍車をかけるんですよね。食育と睡眠、全部ひっくるめて「健康に生きるとは」っていう教育を本当はしなきゃいけない。
- 佐々木
そうですね、私もそれは感じます。睡眠不足については、単に時間数だけではなく、眠る時間帯が後ろにずれてるってこともありますよね?
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