ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第58回 パク・ジョアン・スックチャさん

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パク・ジョアン・スックチャさん
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父親が自分の役割を果す必要がある
- パク
日本の社会問題の多くは日本の長時間労働の影響があるって思うんです。なぜかっていうと、子どもたちが父親と接する機会が少なすぎるでしょう。長時間労働をしていると、一緒に夕食を食べる時間もないし、会話もできない。だから、日本では、男の子が大人の男性と接しないまま大きくなっているの。
- 佐々木
本当、そう思います。
- パク
女の子は、生まれてママに育てられて、幼稚園や保育園の先生も多くが女性。小学校でさえ、女性の先生が多いですね。じゃあ、男の子が大人の男性と接する機会っていつっていったら少ないんですよ。そういう未熟な男の子たちが、何のサポートもなしに、どうやって大変な思春期を通って、一人前の男性になれるのか……。
父親も近くにいるだけではなく、ロール・モデルになるように意識しなくちゃいけない。それと今、母親は溺愛するだけですよね。これはやっちゃ駄目だとか、やっていいことはここまで、という限界設定が全然できていない。昔は父親がいい意味で怖かったんですが。
- 佐々木
そうね。母親が父、母両方の役割を担当しているみたい。
- パク
できてないんですよ。できない。だから父親が自分の役割を果す必要がある。うちの夫は、すごくやさしい人なのにね、無理して男の子に怒りますよ。彼はすごく、意識して男の子にはきちっとこれは絶対駄目だと言って、反抗を許さなかったりね。絶対的な価値観を示している。ありがたいです。多くの男性がもっと働き方を変えて人生をフルに生きて欲しいですね。
- 佐々木
ワーク/ライフ・バランスというのが、女性個人の話ではなく、男性の生き方、家庭への影響、そして企業の生産性に影響しているという興味深いお話、ありがとうございました。またさまざまな事例を教えてくださいね。
対談を終えて
「日本を変えなくちゃ!」という熱いメッセージに包まれた対談でした。出会ったのは10年以上前。外資系に勤める聡明でエネルギッシュな女性だと知っていたけれど、ここ5年くらいでガンガンとそのパワーが増してきているようです。休みなく早口で話し続ける彼女のパワーに圧倒され、「そうだよね、うまくいってないんだから働き方、生き方見直さなくちゃだめなんだよね」と改めて考えた次第です。
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