ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第46回 原田永幸さん

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原田永幸さん
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社長の転職
- 原田
ですから、最初に話を頂いた時は、「ああ、やっぱり縁があったんだ」という思いがひとつありました。そしてもうひとつ、私に声がかかってくる理由として、マクドナルド・ジャパンを今からグローバル・カンパニーにしていくという大きな命題を感じました。
その点においては、私がこれまでずっと経験したことと同じですが、同時にこれは大きなチャレンジだなと思いました。売るものがコンピューターであってもハンバーガーであっても大きな違いはありません。アップル社時代でも、売り方は知っていましたが、使い方は知らなかったのですから。
- 佐々木
え!そうだったんですか(笑)?
- 原田
必要最低限しか知りませんでした(笑)。経営ってそういうものですからね。企業文化を作り、ブランド構築、サプライチェーンマネジメント、組織力強化、財務施策、そういった戦略を実行する、そういう意味では同じですから。
- 佐々木
もう少し社長の転職というところを伺いたいんですけど、そうするとマクドナルドともう1社のオファーがあったけれど、もう1社は全然ダメだと。マクドナルドはちょっと興味がある。そこからのステップっていうのは、短期間なんですか? 決まるまでってどんな流れが?
- 原田
やはり、一番時間がかかったのは辞め方です。辞めるのに時間がかかりました。それは、私自身が代表取締役の立場でしたし、そして何より悩んだのはMacintoshユーザークラブのみなさんに対してですね。私がマクドナルドに行ったらみなさんなんて言うかな、どう思うのかな、と。私はユーザークラブの目の前で、Windowsの世界には「給与3倍でも行かんぞ」と言ってましたから(笑)。そのことに一番時間がかかりました。すべて決めるまでに2ヶ月くらいかかりましたね。
- 佐々木
心が決まって、先方も納得して、ということですね。
- 原田
お互いに全てです。
- 佐々木
すべてのプロセスが終わるのに2ヶ月ぐらい。でも、そこから辞めるための……。
- 原田
そこからさらに2カ月くらい。本社に話をして、上司に話をして、引き継ぎやら辞めるタイミングやらで、約2カ月かかりました。
- 佐々木
それっていうのは、「原田さん、辞めないでくれよ」という声だってあるかもしれない中でも、もう心は動かず、まっしぐらで。
- 原田
外に話をすれば、もう戻れません。
- 佐々木
もう、絶対に戻れない。
- 原田
経営者という立場ですから。
- 佐々木
どんなに止められても、とにかくきれいにうまく出ていくためのプロセスをしっかり……。何が一番、ご苦労されましたか? タイミングですか? さまざまな、どこから順番に発表していくかというタイミングですか?
- 原田
すべてです。社内での広報もとても重要です。
- 佐々木
シャットアウトしながらパッと出す、というね。
- 原田
私は社員によく「職位ではなく職種」と話しています。社長もいわゆる職種のひとつということです。当然社長にも、キャリア・ディベロップメントがある。そういう意味では、あまり難しいことは考えませんでした。ただ、自分の責任の果たしかたについては、しっかり確認しなければいけません。ごく限られた人には相談しました。
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