ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第32回 北澤きよみさん

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フィオレッラ・デル・コンテ(メッゾ・ソプラノ、コントラルト)
北澤きよみさん
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わたしは、スパゲティだったんです
- 北澤
日本の大学は休学にしたんです。実は日本では全然認められなかったというか、自分の声を気に入ってくれる方がいないという状態だったのです。学校のレッスンの先生との相性も悪いし、わたし自身授業に出なかったりしてた。
でも、イタリアでは、「君は本当に日本人か? すばらしいイタリアの声を持っている!」なんてほめてもらえて。
ですからね、佐々木さん、わたし、スパゲティだったんですよ。それなのに、一生懸命そばつゆの中にスパゲティを入れて食べようとしてた。そりゃまずいじゃないですか。合わなくて、なんだこりゃという感じでした。やっぱりスパゲティは、本場イタリアがいいわけですよ。
- 佐々木
イタリアに行って、トマトソースをからめてみたら、絶品だった!(笑)
- 北澤
そうなんです! イタリアに行ったら、あれよあれよという間にいい方向に行ってしまったんです。「スパゲティ」なので、「そばつゆ」にはなじめなかった。
ヴェルディ音楽院の試験を受けたときに、指揮者アバード氏のお兄さんである校長のM・アバード先生から、「いい声をしている。イタリアオペラ向きだね」と言われて、それではっきり気付きました。「ああ、今まで畑が間違っていたんだ」と。
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