ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第32回 北澤きよみさん

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フィオレッラ・デル・コンテ(メッゾ・ソプラノ、コントラルト)
北澤きよみさん
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コンクールの審査委員とは
- 佐々木
数々の舞台を踏まれてきたけれど、今はオペラ歌手の専業を手放されて次のステージに移られたんですね。
- 北澤
そうですね。オペラ歌手を手放したわけでなく、ここ5年くらいですね。自分の弟子がちょっとずつ大きくなってきて、レッスンしてくれますか?という人が多くなってきた。歌うことから、人を教えるという興味に変わってきたんです。ここをこうしたらもうちょっとしたら良くなるのにな、というアドバイスをしてあげていたら、生徒が増えてきて、やがてマスタークラスやコンクールのほうにも審査員として呼ばれるようになってきたんです。
- 佐々木
今、審査員でやってらっしゃるのは、具体的にはどんなコンクールですか?
- 北澤
はい。一つはTIMと言いまして、イタリアの中の音楽家を選んでローマ・ミラノ・ヴェネチアでオーディションするんです。その音楽家たちにフランス・ドイツ・オーストリアでコンサートを開催させるというものです。
それとワルセーズィア・ムジカといってビオッティコンクールの前身なんですけども、それも声楽部門で3年続けて審査に入りました。
もう一つはアッシジのコンコルソ・インターナチィオネーレ・ムジカ・カンタンテ・リリチっていうのがありまして、その第一回目が今年あったんです。それも一応、客員審査員。それと、ウィーン(オーストリア)のベルベデーレ国際オペラ・コンクールにも呼ばれましたね。
- 佐々木
審査員になるというは、大変な名誉なことですよね。
- 北澤
そうですね。選ばれるということがですね。ただ、審査員の中でも大変ですよ。
- 佐々木
何人くらいいるんですか?
- 北澤
普段は6〜8人ですね。世界各国から。たとえばオペラハウスのインテンダントですとかディレットーレですとか、音楽家のためのマネジメント、そういう人たちの代表の方ですとか、音楽院の学長とかという方々がいらっしゃいます。そういう人たちの中で机を並べて審査。でも、最初にこう言われたんですよ。「日本人で、女で、しかも若いだろう。大丈夫なのか」と。でも、芸術監督が委員長に「とにかく会って。彼女がその席に着いたらわかるよ」って言ってくれました。
第1次審査の後、審査員同士で会議し、いろいろ意見を出し合った時、わたしが「生意気だけど言わせてくれ」って、いろいろ批評したわけです。そしたら、みんなが「そうだそうだ」って言って、「きよみは、完ぺきに近い良い耳と洞察力を持っている」と認められ、それでやっと納得されたようですね。
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