ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第28回 米倉 誠一郎さん

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米倉 誠一郎さん
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戦略の基本は、やらないことを決めること
- 佐々木
今の、5つの柱からも、本当に果てしない組み合わせがあって、興味が尽きないとは思うんですが、研究者としてはどこから手を付けられるんですか。
- 米倉
専門は歴史なんです。だから、“History and innovation”はおもしろいなと思うんですよね。けっこう迫害の歴史があったり、失敗の連続でね、それでイノベーションって出てきてるんで、それはおもしろいと思う。イギリスの産業革命とかアメリカの話とか。
で、もう一つは、アントルプルヌールシップですよね。佐々木さんをはじめとして「なんで会社なんかつくるんだろう」「何がおもしろいんだろう」と(笑)。
- 佐々木
本当ですねえ(笑)。以前、アーク都市塾にお招きいただきましたが、あれも先生の研究対象。そういえば、以前イベントの際、米倉先生に、慶応大学の國領先生が「国立大学の先生にリスクをとるなんてことを語ってほしくないぞ」って言ったでしょう? 鋭いところを突いていらっしゃると思ったんですが(笑)、米倉先生は、自分で起業しようとか、リスクをとるとかそういったことは?
- 米倉
そうね。いやあ、戦略の基本は、やらないことを決めること、って。
- 佐々木
学んだ結果、あんまりやらないほうがいいと? 向いてない(笑)? 先生はやらないのだとすると、研究されていてアントレプレナーというのはどういう人に向いてるとお思いになりますか?
- 米倉
僕は人の属性や性格のパターンで論文を書くことは信じない。アメリカはけっこう多いんですよ。左利きが多いとか、両親が裕福なほうがいいとか。でもこれは、うそ! 右利きもいれば左利きもいる、裕福なやつもいれば貧しいやつもいる(笑)。
- 佐々木
わたしも過去の取材で、「今まで取材した起業家は裕福な人ばかりでしたが、佐々木さんが初めて裕福じゃないアントレプレナーです」って言われて驚いたことあります(笑)。そういう分類したがる人、いますね。
- 米倉
そう。意味ないよね。その種の研究じゃなくて、僕はイノベーションのタイプだと思っているんですよね。
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