ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第26回 松井龍哉さん

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松井龍哉さん
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本当に欲しい人へのデザイン
- 佐々木
ますます松井さんのロボット創りに興味が深まりました。先ほど、お金に無欲だと、実は入ってくるし、とおっしゃってましたが、たしかに、すばらしい一流企業がクライアントについていらっしゃいますよね。
- 松井
今メインのクライアントの8割がヨーロッパですね。本当に僕たちのロボットを欲しいという方は直接アポイントを入れてきます。そこでしっかりとクライアントのトップと議論をして特別な物を作るようにしています。
マスで考えないで個人を対象にする。目が行き届くデザインをするにはその方法が僕には一番やりやすいですし、本質だと思っています。それを頑固に続ければ100年後にうちは老舗になっていると思いますよ。
近々だと、今度9月にイタリアのミラノの国立科学館の依頼を受けて2台のロボットを創ります。子どもたちがロボットを創るラボが設置されるんですが、ミラノ工科大学の教授と僕たちとでそこの教育プログラムの作成とラボ全体の空間デザインもします。ロボットラボのデザインをするんです。
- 佐々木
何歳くらいの子どもたちを集めて?
- 松井
それは小学生から中学生ですね。科学館デザインは10年くらい続きます。ミラノの国立科学館というのは、ミラノを訪れたとしても誰も行かないような地味な科学館なんですけど、ものすごい味のある電話とか写真機とか飛行機、船、オートバイなど、いろいろと昔のものがあるんです。男の子は楽しめるけど、デートには向かないというところです(笑)。
そこを先人の偉業を理解できるうえにデートもできるように、これから改装します。そこのカフェのデザインなども。イタリアとフランスではけっこうおもしろい仕事をさせてもらってます。
- 佐々木
今日は本当にはっきりと夢を映像化できる、幸せな時間をいただきました。これからも、いろいろな作品を楽しみにしています。どうもありがとうございました。
対談を終えて
ロボットって一体生活に何をしてくれるんだろう? 「ロボットがダンスを踊る」 そんなことを考える人ってどんな価値観をもっているのだろう? さまざまな興味から対談をお願いしたが、想像以上の、松井さんの夢の大きさ、明確さ、温かさに触れ感動した。わたしの頭の中では、もう、ロボットがオペラ座で踊っている。わたしの目には、大田区の職人さんたちが目頭を熱くしている姿がはっきり見える。夢を明確に持つこと。期間限定で進むこと。そしてそれが幸せをつくること。毎日の食事を大切にすること。すてきな松井さんにたくさん教えていただきました。これからもどうぞ仲良くしてください。(佐々木かをり)
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