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川村秀樹さん
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毎日できる自己トレーニング
- 佐々木
じゃあ、最後に、トレーニング不足の人たちは、どういう意識の持ち方、方法を見につけていったらいいんでしょうか。さきほど「部長でもある程度の素養ならば」とおっしゃいましたが、「ある程度の素養」って何ですか?
- 川村
講演であれ、インタビューであれ、トレーニングするとき、自分が話している時に、意識の7割を相手の心の中に置きなさい、自分の頭の中には3割ですよ、という教え方をするんです。
7割ということは、「今、佐々木さんは何を考えているんだろう」「僕の話をわかってくれているかな」「どう感じているんだろう」っていうふうに。昔は多分、生産者の論理だと、自分は10割で、相手は単純にその場に顔を置いているだけみたいな。そのぐらい、昔とは大逆転で話をするということを身に付けていかなければいけないでしょうね。
- 佐々木
毎日の生活で、一瞬一瞬の会話がトレーニングになるということですね。
- 川村
そうです。だから会社の中でのちょっとした会議でも、「明日プリゼンテーションしなくちゃ」と言って、いろんな資料を用意して備えますが、今までは「うまくやらなきゃ」と言って意識は自分の中だけでしょ。そうじゃなくて、多少間違ってもいいから、相手が本当にわかってくれているかということのほうに意識を持っていくようにするんです。
商品説明のときでも。これは知識や経験なりを聞き手に「共有してもらう」ということが一番重要ですよね。たとえば、「この商品は3万円ですが、とてもいいところがある」というふうに説明していって、ダメ。本当に消費者の生活に3万円以上の価値を与えてくれそうな夢を持たせる説明をする、ということです。それができるかどうか。それはその人たちの生活を振り返って、その土壌を共通のものとした上で、夢を持たせる話し方をする。
- 佐々木
それは部長も課長も、社員も……。一般の社員も同じ。きちっとトレーニングをする、ということですよね。
相手に思いをシフトして話す練習は、毎日続ける価値がありそうです。本当にいろいろ教えていただき有難うございました。これからもご指導ください。
- 川村
ありがとうございました。
対談を終えて
大企業の社長たちが、川村さんご指名でメディア・トレーニングを受講されている。その秘密は何なんだろうかと探りたくて対談させていただきました。米国の議員オフィスでの経験、ご自身の社長経験、そしてさまざまな日本企業の社長たちとの体験がおありなのに、威圧感なく相手を受け入れる会話術。きっとこの人柄に、多くの経営者が信頼を寄せるのだろうと感じました。わたも一度トレーニングを受けてみたいと思います。今後ともどうぞご指導ください。(佐々木かをり)
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