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フランソワ・ヴィックスさん
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腐らないメロンの誕生秘話
- 佐々木
続きはまた後で伺うことにして、「メロンリペア」の原料、メロングリソディンについて伺いたいと思います。シワにならないメロンの写真を見たときは驚きましたが、この特別なメロンはどんなふうにして生まれたのですか?
- ヴィックス
偶然の産物なんですよ。ある農業関係の研究を専門に行っている会社がスーパーマーケット出荷向けに、長期間保存できるメロンを開発しようとしていました。
メロンは傷がつくとすぐに腐ってしまい、トラックで運んでいくうちにダメになってしまい、供給者が大変な損害を被るのです。そのため、畑からスーパーまでの輸送の間にも腐ることのない、長期間保存が可能なメロンを開発していました。
そして5年間の研究の結果、「15日間も保存がきくメロンを開発できた!」と大喜びしたのです。もちろん遺伝子組換え(GM)種ではありません。
しかし、切って食べてみると実にまずく、食べられたものではありませんでした。熟さないから、甘くもやわらかくもならないのです。そのために「メロンはできたが、まずくて誰も買わないので、売ることもできない」という状況に陥ったのです。
そこでこの会社で、「なぜこのメロンは長期間保存が利くのか」という研究が始まりました。その結果、このメロンの保存期間が長いのは、含有されている抗酸化酵素の量、特にSOD(スーパー・オキサイド・ジスムターゼ)の量が非常に高いからであることが判明しました。通常のメロンの7〜8倍のSODが含まれていたのです。
- 佐々木
食べられない、熟さないメロンが誕生したら、そこに酸化、老化を遅らせる酵素がたくさん含まれていたということですね。
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