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久米麗子さん
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出演者を1つのチームとして、服をスタイリングする
- 佐々木
以前、鋭いコメントを言うこともあるときには、久米さんをベージュ系でスタイリングすると伺ったような。
- 久米
そうかもしれません。ダークスーツに鋭いコメントですと、より鋭くなると思うんですよね。ニュースはダークスーツが最良という考え方を崩したかったのかもしれません。当時のスタジオセットがレンガっぽいものだったから、その色も考慮していました。服選びは背景の色にもよりますよね。
- 佐々木
スタジオセットなどの背景だけでなく、番組のすべての出演者とのコーディネートも大切ですよね? 久米宏さんと渡辺真理さんだけでなく、番組に出演していらっしゃるみなさん全員の衣装のコーディネートをされているんですか?
- 久米
いえ、全員の方たちではありません。たとえば、コメンテーターとして出演されている方について、視聴者がその方たちに求めているものは、モードだけではないと思うんです。わたしがモードを知っていてもパーソナリティーにとっては違う、と思うんです。だから、それぞれの立場によって服選びの考え方が違ってきます。
- 佐々木
それだけ多くの人の服を、その日のニュースの内容などによって決める、というのは具体的にはどんなふうにされるんですか。
- 久米
基本的には、1日につき1点、選ぶんですよ。
- 佐々木
メインキャスターである、久米さんの服を。
- 久米
それは、日々違います。番組の内容によって、誰を中心に、と考えます。その一着を選んだら、ほかの方たちの色合いが決まってきますよね。時には、どうしても合わないことがあるんですが、可能な限り合うように努めています。
1対1や1対3でプリゼンテーションするときと、テレビが少し違うというのは、たとえば、久米をカジュアルにすると真理さんもそうしたいとおっしゃるかもしれません。その折は真理さんとコメンテーターの方は歯止め役だと思っているんです。
以前していた「おしゃれ」という番組は四十数局ネットで、東京の方も見てるし離島の方も見ている、と考えなくてはいけない。ですから、レディースもメンズも、遠く離れた方にも「東京は別だ」とは思われない画をつくりたいと思った。3ポーズ対2ポーズの割合で両方を考えていました。
『ニュースステーション』の番組が始まったときにうれしかったのは、スタート時、13局ネットかしら、リストをいただいたらすべて都市だったんです。それで、「これは、都市型でいこう。都市から発信することが明確にみえたほうがいい」と。
- 佐々木
やっぱり番組の中で、どんなメッセージを伝えるかということになりますからね。
- 久米
そう。服も時代を伝えますから。
放送時間が一番長いコーナーが特集だとすると、そこにゲストとして来てくださる方のことを考える。女性でしたらその女性が一番引き立つように。
パーソナリティーの方たちの衣装が一つのチームとしてコーディネートされていることが、おもてなしだと考えています。
同時に、それが色で伝わるかどうかも常に考えながら。
ゲストの方の服は本番になるまでわからないことも多いのですけれど、もし女性だとしたら、赤やピンクとか、発色のいい色を着られることも考えられるわけじゃないですか。だとしたら、少なくとも男性陣は抑えた色にしていこうとか。
全員が発色のいい色を着ていると、それはちょっとね……というのがあるでしょう。
テレビは、色を発信し続けているわけですから、あんまり色が入りすぎると、視聴者の方々も目が疲れると思うんです。そういうのは考えますよね。
- 佐々木
毎日ニュースとともにあるお仕事。お一人で対応されているのですか?
- 久米
今、スタイリスト10年生とわたしとで選んでいます。最近やっと二人で分かれて行動することができるようになった感じです。これを18年間。老いやすいのは少年だけじゃないのよね(笑)。
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