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リシャール・コラスさん
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それは経営者とリーダーの差なんです
- 佐々木
実は、1つ私がやりたいなと思っていることがあって。それは、日本のワーキングウーマン、管理職を目指すようなビジネスウーマンやワーキングウーマンの変革なんです。働く女性たちは真面目な人が多くて、一生懸命働いているのですが、あまりオシャレじゃない。私が会社をつくったころを振り返ると、ちょっとヒザが見えるスカートをはいただけでも短いと怒られたり、一方でパンツルックだと、失礼だと怒られたりで、男であってもいけないし、女であってもいけなくて、服装なども難しかった。マニキュアも塗っていたらいけなくて、というようなイメージがありました。
若い女性のおしゃれにとどまらず、ビジネスウーマン、エグゼクティブウーマンのおしゃれ観に提案をしたいと思って、ここ何年か、私はセダクティブという言葉を使っていましてね。セクシーという言葉が日本語ではちょっといやらしいということで。
- コラス
ネガティブなイメージがある。
- 佐々木
私はもっと人とつながることや有機的に血の通う、魅力的な人でいるということが大切だと思っているし、優秀なビジネスパーソンやリーダーはセダクティブだと私は思っているんです。仕事ができる人はお洒落でセダクティブであってはいけないと思っている人が多い。でも、もちろんセダクションとキャリアが1人の人間の中に同居できるわけです。
そこで、イー・ウーマンの真面目な誠実さに、早くセダクションを加えたい。日本のビジネスウーマンたちへの変革、シャネルにできることがいっぱいあるんじゃないかなと。
- コラス
セダクションって、正しい言葉ですよね。私が思うに、それは経営者とリーダーの差なんですね。経営者というのはセダクションがないんですよ。リーダーはセダクティブ。
セダクティブって女性だけではなく、男性でもそうですね。僕は38年前に日本に来たおかげで、当時のすごいリーダーたちに会えました。例えば、キヤノンの御手洗さん、今の息子さんじゃなくて、お父さんに会った。ソニーの盛田さんにも会ったし、YKKの吉田さん、かなりのおじいさんだったけど、お会いしました。残念ながら、松下幸之助さんにはお会いできなかったけれど、でも知っていた人の話を聞くと、彼は体が弱かったから苦労されたそうですね。あの人たちにはオーラがある。オーラというのがセダクションのパワーですよ。
- 佐々木
そうですね。
- コラス
あの人たちはすごいオーラがあって、そのセダクティブなパワーがなければ、今のキヤノンとか、ソニーとか松下とか、YKKはない。結局のところ、その人のセダクションがなければ、それらの会社の今はないんですね。そのリーダーシップこそセダクションですね。
美しい、美しくないかは関係ない。内面をどうやって表現できるかということだと思いますね。私は女性の方がそれを出して、自分のセダクションを持ってやっていく必要性があると思います。私たちは運良く、香り、メークアップ、スキンケアなどの製品を通じて美を売る仕事をしていて、つまりセダクションのツールを売る仕事をしているから、余計にそう思います。
私のある友人は、とても優秀な女性で、個人的にはすごくセダクションを持っているけれども、職場では、まじめそうに見える服ばっかり着ているんです。「なぜ?」って聞くと、「やっぱりお客さんの前でプレゼンテーションをするときは押さえ気味にしないとダメだ」って。僕は何とかしたい。
- 佐々木
ぜひそれを私は「シャネル×イー・ウーマン」チームで変えていきたいと。
10/18
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