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山田昌弘さん
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親がパラサイトをさせるのを喜んでいる
- 山田
それから日本はあまり階層分解が起きなかったために、今の50代、60代の多くの人は中流なんですよ。パラサイトができちゃうんですね。
- 佐々木
子ども部屋を与えるスペースがあって、豪華なものは食べされられないが、ご飯も与えられる。
- 山田
生活基準が下がることはないので、そこにパラサイトができてしまうんですよね。
- 佐々木
つまり、若い人だけの問題じゃなくて、親にも問題があるってことですね。中教審でも発言したことがあるんですが、今の教育や、今の子どもが問題だという考えより、過去の教育が間違っていたという可能性はないですか? ということもあるわけでしょう。過去の教育が正しければ、今の先生も今の親も良く育っているはずで、それが家族や子どもたちに引き継がれていたはずなのですから。子どもがリクエストしたって親が、「お前、出て行け」「ご飯なんか出さない」と言うことができていれば、パラサイトは不可能に近かったかもしれない。子どもだけの原因ではない、と考えていいですよね。親の意識が今のパラサイトをつくっている。
- 山田
そうです。私もパラサイトシングルで強調したのは、そっちの方で、むしろ親がパラサイトをさせるのを喜んでいるというのが問題です。
- 佐々木
解決策はあるのでしょうか?
- 山田
自分のところだけ追い出せと言ってもね、本当にホームレスになったら困りますからね。
- 佐々木
困りますか?
- 山田
勇気がないでしょうね、親としては。私も親ですから。
- 佐々木
先生、お子さんは?
- 山田
今、高校生です。
- 佐々木
じゃあ、大学1年生になったら家から出す?
- 山田
私は完全に自立しろという勇気はないでしょうね。子どもの方は、小学生くらいから、「パパがパラサイトシングルを書いたから、私は自立しなくてはいけないから損だ」って言ってましたが。
- 佐々木
それはちゃんと自覚されているんですね。私は自分の子どもには、私は高校1年からアルバイトをしたと。あなたたちは高校1年からとは言わないけれども、大学の卒業時か20歳で家を出て行ってもらうと言っているんです。でも、子どもたちは「嫌だ、結婚するまでお母さんの元にいる」って言っていますから、追い出さなくてはいけないかもしれない。
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