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出井伸之さん
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今月もきちんとお金が回るかなとかって心配するとは思わなかった
- 佐々木
今日、お話をうかがっていると、ベンチャーとして始められて、何だかんだとご苦労はありながらも、楽しい毎日を送っていらっしゃる。
- 出井
そう。だけど僕もこの歳になって、今月もきちんとお金が回るかなとかって心配するとは思わなかったけどね。
- 佐々木
そういう心配もされるんですか。
- 出井
それってやっぱりさ、ベンチャーって、初め3年ぐらいは苦労したでしょ。
- 佐々木
今でも、です。
- 出井
それをやらなくて、イージーマネーが来たら、ろくなベンチャーにならないですよ。初めにバーンとお金が入ったりするとさ、お金があるからということで、すごく脇が甘くなるよね。そしたら大企業と同じになっちゃう。お金なんてギリギリで回っていてさ、みんなが必死になって、「頼むから、稼いでくれ」っていってた方がベンチャーらしいじゃない。そこを僕は楽しんでいるよね。
- 佐々木
大変、僭越で、失礼な言い方だと思うんですけど、大きな企業のダイナミズムも分かっていらっしゃる方が、やっぱりすごく小さな組織での体験をされるというのは、
- 出井
そうだよ。
- 佐々木
体験をされているのを見ると、だからこそ出井さんのような体験をもって、大きいところを変革しにいってほしいと思うんですよね。大企業での経験と尊敬されているという立場の方が、やっぱり身を持って体験したことを活用して変革をしていただくときっとパワフルで。
- 出井
コーポレートにどっぷり浸かっていると、結構頭がそれに慣れてしまうんだよね。
昔「駅で解散」って言って、みんな電車で帰ってくれって言ったんだけど、切符の買い方が分からなかったり、中吊り広告を見て広告担当者にすぐ連絡を入れて怒っている人がいたり。大企業のトップは人間的に偏っちゃうっていうことを常に意識していないといけないんだよね。
- 佐々木
大臣がスーパーに「こうやって売っているんですね」っていうのをやるようなものですよね。
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