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出井伸之さん
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プロジェクトマネジメントの極致をいっている
- 佐々木
そんなソニーを辞めて、どんな思いで始められたんですか。
- 出井
ソニーを卒業して、全く今までとは逆をやろうと思って。大きな会社は何でも自分でやりたいと考えるでしょ。でも、この新しい会社では、本当に「考え方」だけをやろうと。要するに、ビジョンを除いては全部アウトソースするぐらいのつもりで。
考えてみたら、日本には専門家がたくさんいるわけじゃないですか。だから全部を中で抱えるんじゃなくて、本当の意味でのプロジェクトマネジメントをやれるんですよね。僕は本当にそうできるなと思った。
要するに、東京という街は「知識集団」都市なんですよ。あんまり、そう思っている人はいないと思うけど、たぶんそう。何でもあるでしょ。
それにすごく似ているなって思ったのがロサンゼルスの映画なんですよ。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントは映画のビジネスをやってからね。ロサンゼルスでやってみて、これは結構新しいなって思ったんです。
ロサンゼルスに住んでいる人は、「スピルバーグと映画をつくった」とか、何とかとかんとかをした、っていうクリエイティブな人たちなわけだよね。カメラマンもいれば、何もいる、かれもいる。そこで、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントはプラットフォームで流通をやっているんだけど、監督が「これをやろう」とこの指とまれをやると、みんなが集まる。だからワーナーであれ、ソニーであれ、ディズニーであれ、会社に対するロイヤリティーってほとんどない。何の時期にどの監督とどの仕事をしたかっていうことが、みんな共通の話題になっているわけ。プロジェクトマネジメントの極致をいってるんだよね。これが新しい。
それで、クオンタムリープもね、東京という知識集約シティにいれば何もやることはないから、知らない人たち同士でプロジェクト参加者を集めるという感じでやろうと思ったわけです。
ところが、仲間を集めてマイクロカンパニーを起業してみるとね、マインドセットというか、頭を変えるのが大変。僕自身もそうだけどね。
- 佐々木
そういう体験を、出井さんがしてくださっていることが、僭越ですが、嬉しいです。
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