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鈴木 淳子さん
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性的虐待の把握件数が爆発的に増えるだろうと
- 佐々木
では、どうしたらいいんでしょう。今のままでいけば、虐待が増えていってしまう可能性がある。
- 鈴木
そうですね。この間、「性的虐待への介入と治療…」という研修があったのですが、アメリカ同様、日本も性的虐待が爆発的に増えるだろうということでした。今までは表に出てこなかったのが、社会的に認知され始めることで、気をつけて関わることができるようになり、発見できたり、子どもたちも言えるようになったということもあるでしょう。中学生、高校生になってから、言える力が出てきて、やっと言葉にできる。また、子ども対象の虐待や性的被害から自分を守るワークなども行われるようになって、それをきっかけに自分から話せる子どもも少しずつ出てくるようになったんだと思います。また、幼児や小学生だと、言動を見ていて、学校の先生がなんとなく変だと気がついて、相談につながるというときもあるし。
- 佐々木
その場合は、すぐに引き離すんですよね。
- 鈴木
大きい子だと、あなたはどんな方法で自分を守ることができるか、児童相談所はあなたをどうやって守れるか、という話をします。だって、子どもは悪くないんです。なのに、保護所に行くということは、自分の生活から切り離されるんです。食べて、寝て、遊んで、自分の好きなことをする時間があって、といった生活の殆どを失うことです。自分の学校に行かれなくなっちゃうし。通常の日常生活が安全でないから、一時保護所があるんですけれど。
- 佐々木
本当です! 親を保護すればいいんですよね、よく考えてみたら。親を隔離すればいいんだ。
- 鈴木
自分は悪くないんだから、虐待した親を何とかしてくれって、言う子どもももちろんいますよ。当然だと思う。
- 佐々木
それは正当です。たとえば、その親は誰にも知られずに普通に会社に行っていたりするんですものね。子どもは学校を休んで隔離されているのに。親を隔離するための法律は作れないのでしょうか。会社で、「何であいつは欠勤しているんだ?」って聞かれると、「性的虐待で隔離されているそうです」って。その方が正当な気がしてきました。
- 鈴木
そうなんです。何とかしたい! って思うこともよくありますよ。でも、親を子どもから分離することは児童相談所にはできません。捜査して、証拠を集めて、立件して、というのは警察であって児童相談所にはできないので、子どもの安全を守るためには、子どもに多くのものを捨てさせて、保護するしかないんです。
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