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藤原和博さん
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鎖国している状態
- 佐々木
だからコミュニケーションというもののスキルや、人の巻き込み方や、意識、時間の感覚が、かなり学校と企業社会でずれているんですね。
- 藤原
だから、江戸の末期だよね。鎖国していました。開国を迫って外国人が入ってきました、みたいな。鎖国していたことでいい面もたくさんあったと思うんですよ、非常に文化的な爛熟時代を迎えていたと思うんだけど。初めて入ってきた外国人は、たぶん時間のリズムとテンポについては結構驚いたんじゃないかと思うよね。それと同じような感じだと思う。まだ半分以上の先生と9割以上の校長が鎖国している状態ですよ。
- 佐々木
そうなると、藤原さんが実行された和田中の改革や変化が注目を浴びて、たくさん、いろんな人が見にきて、そこに新しい光を見て、こういうのを取り入れたいと思う学校が出てきていると思いますが、どんなふうに広めていったらいいのでしょう。 人を育てるという意味では、仕組みも重要ですが、誰がやるかも重要。私たちイー・ウーマン用語でいう、「有機的に、オーガニックにものを伝える人か」ということを考えると、ただ授業時間を45分にしたり、始めに読書を10分やるといいだけじゃないでしょう。もちろん見ないより見た方がいいし、取り入れた方がいいんですが、今後の広がりについて、どう思われますか。藤原さんをもってしてもね、いきなり1年目に「45分でやりましょう」って言ったら、きっとできなかったでしょう。
- 藤原
それは無理。
- 佐々木
やはり4年目、5年目でかかった。藤原さんのスキルと人格とエネルギーをもってして、5年じゃないですか。
- 藤原
ただ創業するのに5年かかっただけの話なので、スタイルとして、ある程度できちゃって、しかも僕がちゃんと文字化したりしていますよね。ある部分でシステムになっていて、それを文科省が、今年50億円の予算を取って、全国に和田中をモデルとした「地域本部」のシステムを普及させます。一応オフィシャルな保証もついて、しかも一方で、その地域本部をどうつくるかというマニュアルもできていたり、ウェブサイトの「全国[よのなか]科ネットワーク」を見てもらえば、ビデオとかみんな見られます。お膳立てができてますから、マネをしたいと思う人にとっては、3年でできたとしても不思議はないかな。
12/30
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