ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第117回 岩切茂さん

117 |
建築家・株式会社TEAM IWAKIRI JAPAN代表取締役
岩切茂さん
|
|
|
僕が日本に帰ってきてものすごく驚いたのは
- 岩切
僕、日本でちゃんとやり始めて3年目なんですけど、少しいろいろ甘く考えていたな、って。こういうことを言っちゃうと、いけないのかもしれないけど、イタリアとかヨーロッパって、広告代理店っていうのがないんですよ。だから、ブランドイメージを作るという話になると、デザインスタジオに話が来るんですよ。だから、僕らもトヨタのそういう話を直受けできるんです。日本ってそういう仕組みがない。
- 佐々木
そんなことないと思いますけど。だって、イー・ウーマンは、ほとんど全部、直で仕事しています。
- 岩切
それは素晴らしい。僕は、日本でも展開したいと思って、いろいろ話を聞いてるんだけど、そういう仕事って代理店が全部押さえちゃってるんですよ。だから、むずかしくて。佐々木さんは、伸び伸びと仕事をしている、日本の社会の中では数少ない人ですよ。そんな人、いませんよ。
だから、僕が日本に帰ってきてものすごく驚いたのは、建築家とかデザイナーになるときに、すごく巨大な組織に入るか、もしくは代理店の下請屋みたいな世界か、あとはちょっと変わった親父みたいな風貌でいくか、この三つしかない、と。
- 佐々木
私は、それでいうと三つ目かな。
- 岩切
僕も、これは、三つ目しかないな、と。「来るなら、来い」ぐらいの感じで。こういう話をしても、あまり面白くないと思うんだけど、日本の企業って、個人が持ってるレスポンシビリティーっていうのは小さくて、集団でそれを取ろうとするでしょ?
僕らはイタリアで、トヨタとか日産と仕事をすると、たとえば日産なんて日本人は1人もいないわけです。で、フランス人。この人にすごく気に入られてやっているんだけど、ものすごくレスポンシビリティーがはっきりしているから、本人が決められないことは決められないっていうけど、決められることは決められる。
すごくはっきりしているので、誰とどんな話をすれば話が前に進むっていうのが、はっきりしてて。僕なんか単純なので、そういう方式のほうがやりやすいんだけど、日本はとても摩訶不思議な、「誰としゃべればいいの?」みたいな……。
- 佐々木
決裁権をだれが持っているのかわからない。そもそも、個人ではもっていなかったりもして、散々話をしてきてから「じゃあ、それを今度、誰それに話してもらおうかな」みたいな展開になって、今日までの会議は、一体何だったんだって。
13/19
|
 |
|
|