
冷静さや構成が足りない?(Piupiu・神奈川・29歳)
見てきましたが、あまり感銘は受けませんでした。ドキュメンタリー映画としては冷静な分析、構成が足りないように思いますし、ショッキングな映像をどんどん繰り出すことによりメッセージの刷り込みを観客に与えているように思えてなりませんでした。ムーア監督が観客をばかにしているように感じました。
善し悪しの前に、観てほしいという監督の姿勢を買うべき(chachakocha・ワシントンD.C.・パートナー有・48歳)
確かにここまで「ニュース」に仕立て上げた手腕は、マイケル・ムーアのマーケティング勝ちです。イラク戦争に批判的なヨーロッパでの評価を見越してベニスに出品、パルムドールの受賞なくして、米国凱旋はあり得ません。大統領選直前の夏興行を果たし、否が応でも観客を動員、10月にはDVD発売が決まっています。そのムーアの“商魂”が見え透いていて気に食わないから興味がもてない、という某民放報道局プロデューサーのコメントを最近聞きましたが、映画は観てもらってなんぼ、だと思います。善し悪しの前に「観てほしい」という監督の姿勢は買うべき。実際、ワシントンでは上映期間中、「『華氏911』もう観た?」が挨拶がわりでした。ドキュメンタリーの質としては、『プロジェクトX』『特派員報告』などで目が肥えた日本人には、かえって通常のテレビ枠で放映される日本のドキュメンタリー作品がいかに良質で密度が濃いか、あらためて認識する機会になったようにも思います。
何を正しいと信じているのかを問い直した(goodday7・東京・パートナー無・36歳)
「9.11」の出来事はわたしにとって重要なターニングポイントです。この映画の良し悪しを語るのは複雑で難しいことですが、映画を観ながら、わたしは何を正しいと信じているのか、自分の信念はどこにあるのかを問い直していました。
大切なのは自分なりに感じること(ヒロカ・千葉・パートナー無・30歳)
見てきました! 日本じゃ絶対作れないだろうなと思った。表現できるだけマシ。そういう所がうらやましかった。ムーア監督を信用する・しないは、見た人が決めればいいことで、大切なのは自分なりに感じたり、考えることなんじゃなかろうか? 彼が意見を言っても、「わたしは違う」はありだし、「あれグロいからパス」だって有り。ドキュメンタリーにお笑い要素を入れるのは、多くの人に物を伝えるには、非常に効果的だと思う。だって真面目すぎると疲れるだけだから誰も見てくれないもん。思うに、民主主義って政治的に偏ってようが、偏見バリバリだろうが、まずはいろいろな意見があることで、そこから「じゃあ、どの辺で妥協していきますかね?」ということだと思う。まずは意見を聞かないとね。
ドキュメンタリー映画ってこんなにおもしろい!(maria)
内容の是非は置いておいて、ドキュメンタリー映画がこんなにおもしろいと思ったのは久しぶりでした。
新聞やテレビとは違う切り口からの情報を観たい(usahana・パートナー有・29歳)
独特の取材方法と映画づくりの手法で有名な監督の作品ですが、見る・見ないという判断ではなく、観て考えてみたいと思います。政治のことは新聞やテレビで報道されるものから情報を得ることが多いですが、この映画はそれらの報道とは違った切り口から情報を提示してくれるように思います。わたしはまだ観ていませんが、観に行こうと思っています。
あの情報がなぜ届かなかったのかを問いかけるもの(Petite・ニューヨーク)
上映初日に観に行きました。なぜ観たかったか。イラク戦争と「9.11」テロとが自分の中でどうしても結びつかなかったから。世の中で起きていることの真実に少しでも近づきたいといつも思っています。真実を知ることは、ほとんど不可能ですが、だからと言ってそれを諦めてはならないからです。ムーア監督があの作品を作った本意は、単純なブッシュ叩きだけではないように思います。あの映像や情報がなぜ我々に届いていなかったのか、アメリカとは言論思想の自由を謳う国ではなかったのか、そのような矛盾を問いかけるものであったように感じました。
何が本当に正しいのかなんてわかりませんが、自分なりにブッシュ政権への考えを持つ上での一つの重要な資料でした。小泉首相のあの発言は彼の政治家としての無能ぶりを晒したもの。政治的に偏ったというある一つの意見を鵜呑みにし、自分自身で確かめようとしない姿勢に無責任さを感じます。自分の決断に自信があるのなら、敵の挑戦を受けてたって一つ一つに論理的な反論ができるはずです。