
「大切なもの」を教えてくれた(kakiporu・東京・40歳)
『赤毛のアン』は、緑の屋根の美しい大切な場所という印象がとても強いです。アンの大切なものは、わたしたちもまた体験したことのある「大切な」ものである気がします。人生は穏やかではないこともあるが、日常の細々とした一つ一つをいかに大切にできるかが実は人生の非常に重要な部分であるということを教えてくれる作品だと思いました。優しい薄暮や森、丘、グリーンゲイブルスのアンの部屋やキッチン、テーブルの上のおいしそうなお料理まで、目に浮かぶように感じながら読んだのを覚えています。ギルバートとの淡くも確かになっていく恋愛の形も忘れ得ぬエピソードです。
アンの「勇気」がお守りに(ほーたる・岐阜・パートナー有・40歳)
生まれて初めての手術、入院をすることになり、過去に読んだことがあった『赤毛のアン』を手に持ち病院へ向かいました。アンの“勇気”がわたしのお守りになりました。これからもいろいろなことがあるんでしょうね。けど前向きに、前向きに、信じて、アンのように……。アンが励ましてくれる声が聞こえそうです。
何度も繰り返し読んだ(aibe・大阪・パートナー有・29歳)
何度も繰り返し読みました。一番好きなのは、やはりマシューおじさん。アンの洋服を買ってあげるシーンが大好きでした。それと、男の子だったら……と申し訳なく思うアンに、アンが来てくれて良かったと優しく語るシーン。思い出すだけで涙が出ます。成長したアンも、どんどんすてきな女性になり、恋に悩み、そして本当の愛を見つける。生き生きと描かれた登場人物は、本当にアヴォンリーという町に暮らしているかのようでした。
今の自分がどう感じるか、読み返してみたい(はやて・青森・パートナー有・29歳)
子どものころから、どちらかというと『若草物語』派で『赤毛のアン』は実は繰り返し読むほど好きな話ではなかったのです。しかし、大学時代、松本さんが翻訳された集英社版が出た時、雑誌の広告に引かれ購入、読み始めたところ、とまらなくなり一晩で読みきってしまいました。アンの少女時代のきらめく個性がすばらしいと思う反面、大人になったらちょっと面白くなくなったと当時は感じました。10年たって、今のわたしがどう感じるか、また読んでみたくなりました。
どの年代でも感動する(ヴェリーメロン・東京・パートナー有・36歳)
大好きな作品で何度も読み返しています。シリーズすべてを読みましたが、やはり一番好きなのは『赤毛のアン』です。少女期に出会って初めて読んだときは、アンに自分もなりきって読んでいました。結婚し、親になってからはマリラの気持ちがよくわかるようになりました。いつ読んでも感動しますし、新たな発見もする本当にすてきな作品だと思います。
棺おけに入れたい一冊(真紀子・新潟・パートナー無・27歳)
少女時代に大好きだった本ですが、27歳の今日までもたびたび読み返しています。子どものころは、夢見がちで夢想にひたったまま現実をうっかり忘れてしまうアンを他人と思えず、自分と重ねていました。また、光景の美しさや大きなスリーブのドレスにうっとりしながら読みふけっていました。
当時はマリラはただの怖い人と思っていました。しかし、大人になるにつれ感覚も変化し、アンの夢想や美しい描写には共感したまま、マリラの真なる優しさを理解できるようになりました。愛すべき子に対し厳しい態度を示すことは、優しい態度よりもマリラ自身、つらいことでしょう。幼稚園教諭の経験の中で、迷うたびに読み返し、モヤモヤはリセットされ、自分を正しい方向へ導いてくれたように思います。
そして赤毛をからかわれて怒ったアンのように、自尊心を傷つける侮辱に対しては屈しないという姿勢も、努力をすれば成し遂げられるということを学びました。ただの創作という枠を超えて、わたしの教科書的な役割を担ってくれています。棺おけに本を一冊だけ入れるのなら迷わずこの本を入れます。
前向きな考えに支えられた(春水・東京・パートナー有・38歳)
村岡さんのシリーズで全巻、持っています。高校生の時に友人にすすめられて読みました。それ以来、なくてはならない本の一つとなりました。10代、20代、30代と年代が変わる度に読み返しています。アンが何かで失敗をした時に自分を励ます言葉、「明日は失敗のない真っ白な一日が始まる」という前向きな考えに支えられ、わたし自身も今に至っています。風景描写も素晴らしくてわたしはあの物語を読むといつも鮮明に色がついた景色が頭に浮びます。これからもずっと読み続けたい本です。