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資金調達はどうやって? ―コレクション参加のための体当たり
受賞の翌年には、福岡コレクション、東京コレクションに参加。しかし、コレクション参加するためには相当なお金がかかる。資金調達という、起業家なら必ずぶつかるハードル。井崎さんは運にもめぐまれる。
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「トリンプ・エンジェルプロジェクト」の最終プレゼンを行なう井崎さん。 |
サンプルの洋服を1枚作るのに、だいたい5万円前後はかかってしまう。それを福岡コレクションの時は25着、東京コレクションともなると、約45着出すことが決められていたので、もう何百万円も必要でした。でも私はラッキーでした。福岡の時は、交通費やモデルさんの資金なんかも全部出していただけたし。東京の時も、多くの人たちが協力してくださって、プレス関係からステージ、会場全部ボランティアでしていただきました。
資金は銀行から借りました。銀行の友人に融資をお願いしました。とはいえ、実績はないし、すぐ融資してもらえたわけではないです。友人が上司と飲み会の席をつくってくれました。そこに飛び入り参加して、「実は、こういうことがあって……」と説明して。その時は怒られたましたが、後で「もう1回話を聞かせてくれ」と言われました。ちょうどその時に、ニューベンチャーという形の融資枠があり、普通なら何カ月もかかるところを、2〜3週間で通してくれました。
融資額は500万円。あっという間になくなりました。でも、コレクションに参加でき、新聞に取り上げていただいたのがきっかけで、問い合わせも殺到し、松屋さんとの取引も決まったんです。
運にめぐまれたとはいっても、飲み会の席で話をしたエピソードには、チャンスを見逃さなかった井崎さんの姿勢がうかがえる。そうして運をつかみとった井崎さんはどのようなブランドを立ち上げたのだろう。
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