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消費の「質」とは?〜使うことに重点をおいたブランド選び
「右肩上がりの質」の面に注目していくこと、それは「消費の質」に注目していくことにもつながってくると思われる。では、具体的に「消費の質」とは、どうようなものなのだろうか?
見せびらかすためにモノを買うだけでは意味がないと思います。「見せる」と同時に「使う」ことにもう少し重点を置いたほうがいい。たとえば、ヴィトンを持っている女性を見ると、使っているというよりも、見せているほうが大きいように思える。
聞くと「使い勝手もいい」なんて言うかもしれないけど、たとえばヨーロッパの若い人で、ヴィトンを持っている人なんていないでしょう。あれは年輩の人にとって使い勝手のよいもので、若い人はヴィトンに負けてるわけ。負けているというのは、使い勝手がわかっていないということだと思います。
若い人はもっと若い、まだ名前も確定していないブランドを挑戦的に使ってみる、モノと人とがともに若くあるほうが本来いいんじゃないでしょうか。日本人の場合、美術品もそうだけど、決まったものばかりに寄り掛かるでしょう。そうではなくて、新しいものの中で、自分なりの評価をすればいい。新しい作家・美術家が育っていくことを一緒に楽しみ、一緒に成熟することを楽しむことが大人の文化なんだろうと思います。
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