
インドの西側に位置。美しいアラビア海に面し、人口1,300万人以上からなるインド最大規模の都市が、ムンバイです。この街を走る道路、たとえば、マリンドライブの様子を一言で表現するならば、「混沌」。写真では、さほどそのイメージが伝わりにくいかもしれませんが、実際は、高級車からバスやタクシーなど、ありとあらゆる車両が車線を無視して自分勝手に走り抜けるのです。その車線の隙間を縫って、果敢にも道路を横断する人も。また、一度車の流れが止まれば、大量の歩行者に混じり、車内にいる人目当てに物売りや物乞いが寄ってくるので、道路の上はいつも大騒ぎ。ちなみに、インドの他の街に行くと、人口もクルマも多いムンバイよりも相対的にクルマの数は減りますが、そのかわりに“オートリキシャ”なる乗り物や野良牛が加わって、道路の混乱する度合いは増すようです。

この渾沌たる雰囲気に加え、インド人はクラクションを多用するので、かなり騒々しいのが事実。前だけを見て運転するのが当たり前のインドにおいて、「クラクションを鳴らす」という行為は他の車両に自分の存在を知らせる、重要な役割を果たしています。大型トラックの後ろには決まって「HORN PLEASE」と書かれていますが、これは「追い抜くときは鳴らしてくれ」という意味。

写真のトラックの周りでは人がしゃがんだり道路のまん中を歩いたりと、実にごちゃごちゃとしており、まるでムンバイのクルマ事情そのものを表しているかのようです。