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男性を自立に向かわせるもの
日本の男性を見渡した時、なかなか家事の自立、精神の自立を果たしている人は少ない。それはなぜなのか?
いわゆるフェミニズムが、女も社会に出ましょうという形で女性の自立を促したとしたら、男性を自立に向かわせるものはヒューマニズムかもしません。人間性の復活というか。
男の人は、人間性が剥奪されていますよね。朝から晩まで働いて。父親の世代は本当にそうです。子どもと遊ぶ時間も心の余裕もない。自殺率も高い。男の人はつらいことや、悩みを奥さんに打ち明けられない人が多い。奥さんのほうも、心のどこかで夫は強くてたくましくないといけない、と思っているところもあるんでしょうか。
2月に夫の飼っていたゴールデンレトリバーが急に死んだんですよ。そしたら夫が号泣しましてね、わたしも一緒に泣きました。「泣いていいよ」って言って二人で泣きました。やっぱり、「男は泣いちゃ駄目」なんて言ってはいけないんです。そう言うと、彼はわたしのいないところで隠れて泣かないといけない。子犬の時からかわいがって育てた犬なんですから、男だって泣いて当然です。わたしは、そんな夫がますます好きになった。
男性の意識は、女性が無理に変えることではないと思いますが、男女ともに働き方、暮らし方といった社会のありようを変えていくことで、変えられるのではないしょうか。
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