

イラク入国が後を絶たない状況(ちび子・東京・パートナー有・41歳)
ボランティア精神でイラクに行き、人質にとられたことは同情します。しかし、あまりにも状況を無視した軽はずみな行動だったことには変わりありません。彼らを解放するために日本の国が払ったものは単にお金だけではないでしょう。戦場と化している国に思い入れだけで行ってしまうことが美化されていいとは決して思いません。特にボランティアをしようとした2名は、まさに「わたしがいなくては!」という強い思いで行ったのでしょう。しかし、イスラムという文化も思想も違うことをもっと深く考えてほしかったと思います。ヨルダンの日本大使館の方々が止める努力も空しく、まだ物見遊山の日本人がイラク入国が後を絶たない状況は、平和に慣れた日本人を象徴しているのではないでしょうか?
子どもたちと話し合い、再確認(都香・東京・パートナー有・39歳)
日本がもう一枚皮がむけるためには、イラクに残ることが必要な人もいるのかもしれませんが、この件でさまざまな人種の人たちが尽力したことを忘れてほしくないと思います。個人的には自分の意志で行った人は自己責任だと思います。しかし、国民である以上は放置できない状況でした。わたしはその場に行く勇気はありません。後先を考えるからです。強制はできませんが、社会に生きるものとして、最低のマナーとはなんだろうとあらためて考えさせられました。もちろん、高校生と中学生の子どもたちとも話し合い、今一度再確認したところです。
「官尊民卑」の考えが表出したケース(Leiko・アメリカ)
今回の事件に対して起こった批判や非難は、非常に日本的な「国家」と「民」との関係を浮き彫りにしたのではないでしょうか。「国家=民を守るもの」という概念よりも、「国民=国家に奉仕するもの」という概念を強く持つ人が、「自分勝手で国に迷惑をかけるなんてとんでもない」という反応を示すのではないでしょうか。もし人質となったのが民間人ではなく国の命を受けて活動している自衛隊員であったら、今回のような批判は起こらなかったでしょう。しかし、人質になった方たちは物見遊山の観光客ではなく、国ができない仕事や、組織に属する記者ができない仕事を、命をかけてしていました。それが、国の後ろ盾がないから「自分勝手」というのは、日本に「官尊民卑」の考えがいまだ色濃く根付いているということを明らかにしたのでしょう。
ちなみに、人質家族に対する抗議の話題をアメリカ人の友人たちに説明しようとした時、その内容が「迷惑」「反省」など、英語に翻訳できない概念で埋め尽くされていることに気づきました。日本人の価値観を否定するわけではありませんが、今回の事件は、それがゆがんだ形で表出したケースではないでしょうか。
よい議論のきっかけを与えてくれた(たるたん・北海道・パートナー無・29歳)
今回の事件に関しては、賛否両論さまざまな意見が挙がっていますが、どちらの意見もそれぞれ納得のいく部分があり、難しい問題だと感じます。これまで、日本人はあまり議論をしたがらず、大勢についていくばかりと思っていましたが、今回は、家庭や学校、職場でも話題になり、さまざまな意見を述べる人がいて、救出を求めて実際に行動を起こす人や批判の声をあげる人など、多くの国民が何かしら自分の考えをもってそれを声に出したと感じました。その点では、日本人によいきっかけを与えてくれた事件だと思います。
一つの発言の重み(イクラ・東京・パートナー無・41歳)
今回の事件で投げかけた問題は数多くありましたが、世界が本当に狭くなってしまったと感じました。ただし、情報という観点からです。ネット社会が普及し地球上のあらゆる情報が瞬時に伝わります。今回も人質家族の訴えもそうですが、政府やマスコミの発表も犯人側に即座に伝わっていました。今回はみなさん無事に解放されたからよかったものの、たった一つの発言が相手を逆上させることもあり得ると思うとぞっとします。
最近のテレビ報道なども視聴率をねらってか、情報の分析をする間もなく流しているような気がします。バラエティーならいざ知らず、人命のかかっている報道に関しては情報統制という意味ではありませんが、もう少し配慮のある伝え方があるのではないかと、強く感じました。
バッシングに辟易(aim↑・29歳)
どの切り口からも深い論議が始まるこの事件、これから本人・家族は本当に大変だと思います。他国の援助のために渡航は普通の人にはできないことだと思うし、もちろん無事を祈り、家族の苦痛を理解できないほど非道ではないつもりですが、遅すぎた謝罪と、政府を避難するような記者会見を見て、両手で足りない数の退避勧告があったことを聞くと、自己責任とは一体どこまで……と首を傾げることが多かった数日間でした。
また瞬時3人の命と自衛隊撤退という、今の日本にとって最重要課題が釣り合ってしまったことには正直驚きました。にしても日本はなぜ解決するとマスコミまでがバッシングを始めるのでしょうか。救出費用自己負担に始まり、家柄や幼少時代がどうだの本当にへき易しています。
非難の矛先を変えてしまったかのような気が(Mayumix・アメリカ・パートナー有・22歳)
国が人道支援なのか、米軍の後方支援なのかも事実上ははっきりさせてないような状況の中で、人質になられた人たちに対して政府すら厳しい意見をぶつけることで、自分たちへ向けられていた非難の矛先を変えてしまったかのような気がする。退避勧告が出ている中でも地道に人道支援をしようとイラクに入った人質に非がないとは言えないが、全面的に責めることはできないと思う。
政府の姿勢は良いと思った(donkun・埼玉・22歳)
「自衛隊を撤退しない」という政府の姿勢は良かったと思います。テロに簡単に屈しては、今後日本はよりターゲットになりやすいことを露呈してしまうからです。でも最初の慌てようには少しがっかり。日本が平和に慣れきっていることを露呈してしまったみたいですね。そして「自衛隊撤退」の声を上げたことに対しての抗議、わからなくはありませんが、ああでも言わないと犯人グループに届かなかったかもしれません。そう思うと今は責める気になれないです。特に、高遠さんのコメントに対して反響が大きかったですが、後からテレビでその時の様子をノーカットで見て、彼女がなぜあのようなことを言ったのか理解できました。だからといって闇雲に突っ走ってほしくないです。「自己責任」とはなんなのか、今回の事件をもっていろいろと考えさせられました。
彼らが築いた友好についても考えないといけない(いぶき・大阪・パートナー有・40歳)
自衛隊の撤退を拒否したことは良かったと思っています。こういうことで、日本に言うことを聞かせるのはたやすいと思われてはいけないと思います。日本人の危険はもっと増えるでしょう。今回は全員が無事戻りましたが、もし最悪の場合であっても、犯人との取引で国策を変更するのは、やはり良くなかったと思います(事件解決後の検討は必要でしょうが)。一方で、イラクの人々が日本に友好的な思いをもっておられるとしたら、それは、日本政府よりは、体を張ってイラクで活動してこられた人々がいるおかげだと思うのです。だから、迷惑なことをしてくれた、だけでもいけないと思います。彼らが築いた友好についても考えないといけないように思います。それがなかったら、自衛隊はもっと受け入れられなかったのではないでしょうか。

パウエル国務長官の言葉(パレアナ・東京・パートナー有)
マスコミの報道でしか、事件を判断できない状況が続いていますので、いまだにまとまった思いを持てない状態です。今後の各方面からの情報や、解放された方々の会見内容に注目してから、自分の考えをまとめていこうと思います。今のところ、アメリカのパウエル国務長官が、JNNの単独インタビューに応じ、人質となった3人について、「イラクの人々のために、危険を冒して、現地入りする市民がいることを日本は誇りに思うべき」という言葉が気になっているところです。

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