【第25回】AppleとOrangeの比較かもしれませんが……
「思考しない日本人像」が浮ぶ
日本のトレンディドラマは安直なファーストフードという言葉はドンピシャですね。中高年になればこそ客観性も生まれそういう見方ができますが、トレンディドラマを青春の理想系と眺めてしまう若い人たちの倫理観の停滞に大きく影響しているものと思われます。
しかし、製作者サイドにいる中高年がそれにさお差せない現実が問題の根っこなのでしょう。決定権を持つ人間こそ批判されるべきと思うのは私だけでしょうか。自分の振りを見なければ、人の振りなんて批判できませんから。日本のドラマが娯楽の範ちゅうから出ない原因は、情緒に溺れる傾向が強いことと、それへの何らの批判が加えられないことにあるのだろうと思います。人間存在の深さの根本を捉えていない「思考しない日本人像」が浮びました。
私はおもしろいと思うことはあっても、結局最後まで見続けることができません。このコラムを読んで、結局、情緒的なところに落とし込む不愉快さに耐え切れないのだろうと結論しました。(南平台)