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第21回(1) 2006/04/04
医療費は4月からどうなったのか
【 YOKKOさん(福岡県/パートアルバイト/28歳/女性)からのギモン】
医療費制度の改革について。どのようなメリットがあるのでしょうか。単純に高齢者負担が増えるだけなのか、気になります。
【 ひみつのあっこさん(東京都/会社員/32歳/女性)からのギモン】
診療報酬について教えてください。報道で診療報酬とよく出てきますが、どのようなものに、どのような点数がついているのか等、見えにくいことばかりなので。
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医療費は4月からどうなったのか
医療費や「診療報酬」についての質問が寄せられています。この4月から医療費の制度が一部変更になったからなのですね。今回は、この問題を取り上げましょう。
子どもが深夜、発熱したら……
あなたのお子さんが、まだ乳幼児で、深夜に発熱したら……。
心配ですよね。なんとかお医者さんに連れて行って診察してもらおうとするでしょう。このとき窓口で支払うお金が、4月から11%増えました。「診療報酬」が改定になったからです。どうしてか。それは、診療報酬の額を上下させることで、日本の医療の現状を改革していこうとしているからなのです。
誰に、いくら税金をかけるかという「税制」によって、“その国のかたち”が決まるように、「診療報酬」の額によって、“日本の医療のかたち”が決まってくるのです。
実は世界に誇れる日本の健康保険制度
私たちは、医者に行くとき、「保険証」を持って行きますね。大企業に勤めている人やその家族は「組合健保」に入っています。
中小企業の従業員と家族は「政府管掌健康保険」に入っています。
公務員や私学の教職員は「共済組合」、自営業者や無職の人は「国民健康保険」に入っています。
私たちは、全員が何かの公的な健康保険に入っているのです。これを「国民皆保険」といいます。
私たちは、ふだん健康保険の保険料を払っていて、もし病気になって医者に治療してもらうときには、かかった費用のうち、自分が直接負担する金額(窓口で支払う金額)は3割(一部の高齢者は2割)で済むのです。
残りは、健康保険組合や国、市町村が負担します。この保険制度があることで、私たちは、いつでも医者にかかることができ、支払い額も少なくて済んでいます。
日本の健康保険制度については、その問題点を指摘する声もあります。もちろん、決して十分ではないところもあります。しかし、世界レベルで見ると、どうしてどうして、なかなかよくできたシステムなのです。
たとえばアメリカ。ごく一部の高齢者や貧困層を対象にした健康保険制度はありますが、国民全員が入れる公的な健康保険制度はないのです。個人が自分の責任で民間の健康保険に入るしかありません。
民間の保険料は高く、払えない人は保険に入れません。アメリカでは保険に入っていない人が多いため、医者は、患者を診察する前に健康保険に入っているかどうかを確認し、入っていなければ診療を拒否することもあるのです。
「自由の国」アメリカには、「医者にかからないで生活する」という「自由」もあるのです。
日本の医療制度に話を戻します。日本の医療機関は……
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