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私の視点

時代遅れの「風車」 ─ドン・キホーテの戦い─

藤田正美(ふじた・まさよし)
『ニューズウィーク日本版』編集主幹

2003年9月6日

厚生労働省とディスカウントチェーンのドン・キホーテが大げんかをしています。いまひとつ暑さの足りなかったこの夏をヒートアップさせるというか、大花火というか。けんかの好きな江戸っ子ならずともこれは見逃せません。

ことの発端はドン・キホーテが、テレビ電話システムを使って薬剤師が相談にあたり、いつでも薬品を販売できるようにしたこと。テレビ電話で相談というのが厚生労働省の気に障ったようで、これが薬事法違反の恐れがあると「指導」したことから騒ぎが大きくなったのです。ドン・キホーテ側は、お客が喜んでくれるのに、と反発して、それなら「売らなきゃいいんでしょ」とばかり、深夜で緊急の場合には薬品を無料で提供することにしたのです。こういう抵抗に慣れていないお役所は、「売るか売らないかの問題ではない」(坂口大臣)として、違法だから場合によっては販売許可の取り消しもありうると脅かしています。このまま認めてしまうと、お役所の面目丸つぶれだから、厚生労働省も落としどころが難しくなってきました。

規制改革の難しさ

それにしてもこの問題は、規制改革がいかに難しいかを如実に表している事件だと思います。規制を撤廃することで国民の生活をより豊かにしよう、企業にとってはビジネスチャンスが広がるようにしようというのが、基本的に規制改革の目的であるはずです。しかしそうすると、これまで規制に守られてきた人々がいて、彼らの生活が場合によっては脅かされるわけです。こうした既成利益団体はだいたい政治的な圧力をかけることに慣れていますから、できるだけ既得権益を守ろうとする。監督当局は、規制があるから自分たちの権限もあることを十分すぎるほど承知しているから、できるだけ規制を残そうとする。ここで利害が一致する両者が政治を動かして何とか規制緩和あるいは撤廃を骨抜きにしようとするわけです。

良い規制、悪い規制

規制は何でもないほうがいいというわけではありません。たとえば公害規制のような「社会的規制」は絶対に必要なのです。石原東京都知事のディーゼル車の排ガス規制も同じでしょう。社会全体の利益につながるけれども一部に不利益が生じるようなこうした社会的規制は、もちろん全体の合意が必要ですが、やらざるを得ないのです。

でも業界の利益を保護する規制はどうでしょうか。薬剤師がいなければ薬局を開業できないというのは理解できる規制です(実態的に有名無実な規制になっているという批判はちょっと置いておきます)。しかし薬局の開業規制(既存店が近くにあると開業できない)はどうでしょうか。そこで競争が起きるのは好ましくないというのは、商売をしている人たち、そしてそれに連なる政治家の感覚でしょう。

競争が生む社会の活力

薬局だから安定して商売ができなくてはいけない理由はありません。競争させればいいのです。競争すれば結局は大型店ばかりが強くなるという反論が必ず聞かれるけど、町で起きているのは本当にそういった現象でしょうか。大型店だって決して安泰ではないし、新しいチェーン店がすぐにできてくるのを見ても、競争が社会の活力を生むのは事実でしょう(少なくとも現時点では)。

そしてもう一つ大切なことは、競争というとすぐに「安売り」と思いがちですが、実はそうではないということです。それはレストランを見ればすぐにわかります。たしかにファミリーレストランはいっぱいあります。でも町には、味や家庭的なサービスなどを売り物にするレストランもいっぱい生まれているのです。

理解されない消費者

消費者の側だって、ただ安ければいいと思っているわけではないから、そういったレストランが生きていけるでしょう。お役所の論理のすべてが納得できないわけではないけれども、わたしたちの生活を豊かにするためには何が必要で、何が不必要なのか、じっくり見極めていかなければならないでしょう。その意味でも、ドン・キホーテの戦いからは目が離せません。厚生労働省が風車であるとすると、ドン・キホーテは風車にかなわないのですが、風車は時代に取り残されていきます。何だか暗示的でもありますね。

ところで、イー・ウーマンでは、ドン・キホーテの代表と厚生労働省の代表をキャスターに迎えたサーベイを行うべく現在交渉を進めている最中だそうです。厚生労働省がサーベイキャスターを引き受けるか、そしてどんな意見が寄せられるか、厚生労働省の言い分……。今からこのサーベイが楽しみです。

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