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第3回 久保純子さん
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悩みの妊娠から幸せの妊娠へ |
進藤 |
うーん、理想的(笑)。 |
久保 |
でもね、番組が年度途中だったので、子どもができたときはすごい悩んだ。番組の区切りである3月に妊娠10ヶ月、というのが理想だったのだけれど、途中だったから、仕事の仲間に迷惑をかけてしまうし、どうしようかなって正直とても悩んだ。このぐらいの年齢でほしいなとは思っていたけれど。妊娠が分かったのが3ヶ月ぐらいで、5ヶ月ぐらいまですごい悩んで、しばらくは誰にも言えず、会社にも言えず。
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進藤 |
うわぁ、そうだったんだ。
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久保 |
うん。迷惑をかける、どうしようって。でも引き返すこともできないし、ただただ時間がたってしまうのが悲しくて怖くて。情緒不安定になってた。 |
進藤 |
情緒不安定って、つまりどんな状態になっちゃったの?
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久保 |
つわりで気持ち悪いのもあるのだけど、急に泣いてしまったり、眠れなかったり。考えちゃって夢にでてきたりとか。これがもうちょっと遅れていればーとか。
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進藤 |
一番気になったのは、仕事。
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久保 |
うん。番組のスタッフ。途中降板することでまわりに迷惑がかかるとすごい思ってた。ある時、もしかしたら体の調子が悪くて、順調に産めないかもしれないということがあって、結果的には大丈夫だったんだけど、でもその時に命の大切さを思って、この子は責任もって絶対産まなければいけないんだと確信したの。それで人に妊娠のことを話したら、びっくりするぐらいやさしく自然に受けとめてくれた。
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進藤 |
例えば?
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久保 |
「女性にとってこれはあたりまえのことだし、すごい幸せなことなんだから、なんでそんなに悩むの」って、さらっと言われてしまって。番組のスタッフなんか大喜びしちゃって。いっしょにお仕事をしてた光一くん(注:KinkiKidsの堂本光一さん、音楽番組『ポップジャム』でともに司会をした)は、ベビーシッターの免許を持ってるから「じゃあぼくが面倒みるよー」って言ってくれたり。上の人たちも「良かったな、体だけは気をつけろ」と言ってくれたり、まだ性別もわからないのに名前を考えてくれたり。ほんとに気を遣っていろいろしてくれて。なんかへんな心配をしすぎちゃったなーって。ものすごくうれしかった。ほんとにありがたい、まわりの人に恵まれたなーと思った。 |
進藤 |
つらかった時期、ご主人様はなんておっしゃったの?
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久保 |
主人も「悩む気持ちはわかるけれど、何よりも授かった命が大切」と言ってくれた。
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進藤 |
もうすこし仕事をしていたかった、ということもあるのかしら?
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久保 |
それはあまり感じなかったけど、ただただ周りの人達に迷惑をかけたくなかった。区切りまできちんとやりたかった。でもそんなふうにうまくはいかないのだよね。長い目でみれば、仕事はずっと続けたいと思っていたから、出産によって完全に途絶えてしまうということは考えていなかった。
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