
今考えると、画期的な2世帯住宅だった
(月の猫・神奈川・30代後半)
わたしの実家は、父が長男で、同居ではなかったのですが、隣り合った家に祖父母とわたしの家族がそれぞれ住んでいました。表は別門でしたが、中で通用門があり、いつでも裏から行き来できるような造りでした。あの距離は何かとよかったと思います。祖父母がそれなりに土地を持っていて、2軒並べて家を建てることができたからこその環境ですが。完全な同居よりは、こういうスープの冷めない距離のほうが、いいですね。
孫であるわたしたちは、適宜祖父母の家に裏から遊びに行けましたし、母もちょっとした料理を祖父母宅に差し入れたり、もらったり。母も長男の嫁だったので、親戚が集まる時など、気の休まる暇がなかったと思うのですが、祖父母宅とわが家と、ちゃんとした台所が2つあったので、双方で手分けして準備をできて、しかも、わが家の台所には父の姉妹である叔母たちは入らずにすんで(祖父母宅の台所で手伝っていました)今から考えると、画期的な2世帯住宅だったのではと感じます。
同じようなことを、わたしの嫁ぎ先でもできるなら一番なのですが、どうなることでしょうか。義父母宅でも台所の改装など、住宅の使いやすさなどに最近こだわっているようなので、うまくいくといいなとは思っています。でも、あと20年、待ってくれるとうれしいなあ。そのころは定年退職できるから。
子どもにとって、祖父母と過ごす経験はプラスに
(透子・東京・パートナー無・20歳)
わたしは小学校のころ、2世帯住宅で父方の祖母と一緒に暮らしていました。2階部分にわたしの家族、1階に祖父母が住み、玄関や水回りはすべて別々でした。子どもの視点で意見させていただきますと、2世帯住宅での生活は楽しいものでした。わたしの家は共働きだったので、日中誰も家にいなくて暇なときは祖母のところへ行って一緒にテレビを見たり、ゲームをしたりして過ごしました。
子どもにとって、祖父母と過ごす経験はプラスになると思います。コミュニケーションの機会にもなりますし、昔の話を聞いたり、年中行事などを通して日本古来の文化に自然と親しむことができます。お盆にナスで馬を作ったり、雛人形の並べ方を教わったり。たしかに、嫁の立場である母にとっては、始終姑と顔を合わせなければならず、気苦労があったようですが、わたしは小学校の時分だけでも祖父母と暮らせてよかったと思っています。
完全分離の家ならば貸家にもできる
(bluemintwater・東京・パートナー有・38歳)
転勤が多く、結婚してからずっと親とは離れて暮らしていましたが、最近親がとても弱ってきて2世帯同居を考えざるを得なくなりました。経済的不安もあり、親はわたしたちと同居することを期待していますが、夫自身はわたしの負担が大きくなることを心配して、同居するなら完全に分離した家に建て直すといっています。また転勤があっても、完全分離の家ならば貸家にできるのではないかとも考えています。
抵抗がないといえばうそになるが
(クゥ・東京・パートナー有・31歳)
最近考えることが多くなりました。主人の両親が75歳近くになり、週末遊びに行くたびに心からの歓迎を受けるのと、義母の長期入院時に義父が一人で暮らしていることを考えると、わたしたち夫婦が一緒に生活することもありかなあと思います。共働きで子どもはまだいませんが、子どもができたときがきっかけなのかもしれません。またはそのような話を持ちかけられた時でしょうか。同居に抵抗がないといえばうそになりますが、何かと頼りにできるし、大勢いると楽しいと思います。でもそのためにはある程度のルールを作ること、老後のお世話をする覚悟をしなければならないと思い、まだ主人には本格的に切り出していません。
必要最低限だけの仕切りにして(由宇湖・32歳)
考えますね。若いころなら間違いなく「あり得ない」と思いましたが、30歳を過ぎてからは、同居はいいなあ、と思います。結婚はしていないけれど、わたしも恋人も親元からは遠く離れているので、自分の親のことも相手の親のことも同じように心配になります。一緒に暮らせたら安心ですね。子どもができたら、頼りたいです。家におじいちゃん、おばあちゃんがいる、という暮らしは安心だと思います。
もし、同居するとしたら、現行の2世帯住宅のスタイルではなく、寝室や、各個人のプライベートスペースは必要なだけの仕切りにして、たとえば壁の上のほうは空調も兼ねてふさがないとか、やたらガチガチにしない、必要最低限だけの仕切りにしたいです。中にいる人はリラックスできて、外からは心配(不安)にならないような造り、どこかで共同空間と個人空間が少しだけリンクする造り、そんな家でみんなで暮らせたらいいなあと思います。
やはり、キッチン、水回りは別(shiho・埼玉・パートナー有・34歳)
2世帯どころか、3世帯になるかなあとも考えています。彼もわたしも母子家庭で、ちょうど双方の母の年齢は同じぐらいですし、このまま年を重ねていったときの生活をどうするかということを考えると、場合によっては両方の母と同居ということもあり得ない話ではないと思っています。
ただ、わたし自身はどちらもある程度、距離をおいて付き合えればなあと思うので、やはり、キッチン、水回りは別かなと。たとえばわたしたちのところに、普通のキッチンがあって、母たちが一人で食べるのが嫌なときなどは一緒に食べるとか。母たちの部屋には、簡易キッチンがあって、好きなものを自由につくれるようにできるといいのですけど。経済的には、かなり理想を通り越して、夢のような話になりそうですが、遠くない将来とも思えるので、母たちの意見も聞ける機会があるといいなと、改めて思いました。
同居して気付いたこと(しろりむ・三重・36歳)
数日前に両親と同居を始めました。十数年ぶりです。わたしが独身なので形態としてはパラサイトシングルになるのかもしれませんが、長い間一人暮らしを続けた後の同居なので、わたし自身は2世帯同居というふうにとらえています。同居を決定するまでにはずいぶん迷いました。年を取ると人間丸くなるといいますが、人生ある程度うまくいき、お金もそこそこある老人は丸いどころか角がしっかり固まっている感じ。実際、数日一緒に暮らして前途の多難なることを再確認しました。
同居して気付いたことが二つほどあります。一つは、敵意と敵意がぶつかることよりも、善意と善意がすれ違うことのほうがお互いにつらい。だから先読み思考、気の回し過ぎは禁物。もう一つは、大きな価値観の相違よりも、ささいな日常習慣の相違のほうが精神的にこたえるということ。掃除をするタイミング、洗濯機を回す時間、食器の収納方法などなどです。でもいったん始めた同居。あとは慣れる力を信じるだけです。たぶん親もそう思っていることでしょう。
わが家の場合、一階がわたしのプライベートスペースと共有スペース、二階が両親のプライベートスペースになっています。通常、両親のプライベートスペースを一階に持ってくるようですが、幸いなことにわが家では両親とも足腰が丈夫。しかも昼間は出掛けることが多い。一方、わたしは家にいる時間が長く、来客も多い。それで一階がわたし、二階が両親になりました。ただ年々状況は変化していくでしょうから、この先、プライベートスペースの交換もあるかもしれません。

自分のことを自分でできるうちは
(risen・東京・パートナー無・34歳)
お互いが自分のことは自分でできるうちは、同居は一切考えていません。何かあれば、兄弟協力して動けるようにはしていますが、一度母に同居はどう?と聞かれてきっぱりお断りしたときはかなりショックだったようです。親としたら同居はかなりの親孝行なんでしょう。でも、できる限り元気でパワフルなすてきな両親でいてほしいので、生活は二人で不便なところも出てきているとは思いますが、両親仲良く頑張ってほしいです。
ついつい干渉してしまうのでは
(AkitaKomachi・大阪・パートナー無・24歳)
単なる知人という関係ならうまくいくであろう二人でも、やはり、嫁と姑という関係となるとそんなにうまくいかないんじゃないかな?と思います。やはりどんな人間関係でも、いい意味での距離感を保って付き合っていくほうがいいと思うからです。同居しているとどうしても一緒の家にいることからついつい干渉してしまったりすると思います。
生活スタイルがあまりにも違いすぎる
(laila・東京・パートナー有・34歳)
同居はまったく考えておりません。早寝早起きの両親と、毎日夜まで残業のわたしたち。生活スタイルがあまりにも違いすぎると、かえってお互いの生活に悪影響を及ぼす気がします。むしろ、普段は別々に暮らしていても、何かのときにすぐ(30分以内で)駆けつけられる「近居」スタイルが合っているのかな、と思っています。
独立性の高い間取りを望む(東漣・千葉・パートナー無・34歳)
現在は考えていませんが、将来同居になった場合は、共用部分を少なくし、独立性の高い間取りを望むと思います。特に水回りですが、実父母・義父母どちらとの同居にしても、そのほうがプライバシーを保て、無用な衝突が避けられると予測されるからです。プランニングをする場合、主婦にとってどちらと(実父母・義父母)同居するかによって、希望が変わってくるのではないでしょうか。キッチンを共用した場合の動線なども……。
半年前に解消し(あきんぼ・東京・37歳)
3年前に自分の両親との同居を開始し、半年前に解消しました。4LDKで、玄関、水回り、リビングは共用でした。両親とわたしと小学生の息子の4人なので広々と暮らしていましたが、生活時間帯が違うので落ち着かず、4人とも精神的に参ってしまいました。わたしが家を出る前から親子の仲が悪かったので特殊な例ですが、実の親子でも10年別れて暮らしていると、同居はつらいと思った体験でした。
うまくバランスがとれている(のほっち・山口・パートナー有・33歳)
今のところ、主人の両親は健在なので、お互いの家庭に干渉することなくうまくバランスがとれていると思います。実家の近くに新居を探したのも、お互いのプライバシーを考えつつも、いつでも会える安心感が持てるという理由からです。「今晩、どこかおいしいもの食べに行かない?」こんなお誘いがお互いに気軽にできる、いい関係です。
細かいルールを決めておくことが必要(べんじゃみん・東京・パートナー有・33歳)
嫁の立場ではなくて、孫の立場で昔感じたことを主に書きます。父は長男ではないのですが、父の兄弟間の事情で、両親は結婚から約8年間同居していました。その間、2世帯同居の家でわたしも生まれました。成長してくると、母が毎日のように泣きながら、また熱があっても姑の手前、ふらふらになりながら家事をするのを見るのが居たたまれませんでした。また、祖母の痴呆のとばっちりがわたしたち孫にまで向くこともあり、長女だったわたしは、大人たちの間できょうだいの手を引いてうろたえることもしばしばでした。「嫁を困らせたくて」と、孫に刃を向けた祖母が起こした先日の茨城での事件は、けっして他人事ではないと胸が痛みました。
同居するなら、若夫婦の夫がきちんと妻の側に立つということを同居前に確認し、また、細かいルールを決めておくことが必要ではないでしょうか。2世帯間でもめごとが多いのは、けっして子ども(孫)にも良くありません。くだんの祖母は、もっと若かった時はわたしの伯父夫婦と同居していたのですが、「生活費を全部差し出しても小遣いはわずかしかくれず、共働きで帰った夕食も粗末な献立しか作ってくれなかった」といまだに伯母は涙を流して訴えます。こういう修羅場を見聞きして育ったわたしは、「隣同士」に住むまでが限界だと思っていて、たとえわたしの親でも、パートナーが気を使いそうなので、同居はしたくありません。
子ども心に違和感があった(おしゃまなうさぎ・東京・パートナー有・28歳)
うちの父はマスオさん状態でしたが、けっこううまくやっていたとはいえ、子ども心に、すごく違和感がありました。家の中の父の微妙なポジションを考えて、すごく気を使って「お父さん、家の中で敬語を使わなくていいんだよ」と言って、「子どもは余計なことを言うな」と言われたことがあります。家の中がうまくいけば2世帯でもいいけれど、気が合わない微妙な関係の中で育つ子どもの心のことを考えれば、わたしは一緒に暮らさないことを選択すると思います。