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SOHOが陥った悪循環。それを打破するには、どうすればいい?
わたしがSOHOというワークスタイルで仕事をはじめたのは、今から10年前。ちょうど長女を出産する前後でした。会社を退職し、個人で請け負った最初の仕事は、翻訳。英語のマニュアルを日本語にする仕事です。辞……
何がなんでも仕事が欲しい。だから、自己評価を下げてまで仕事をとる。そして、単価を下げる……。SOHOで働くためには、自己評価と市場評価のアンバランスに耐える力が必要。会社にいる時は時間単価が何千円でも、SOHOになった途端に何百円。これが現実。
空いた時間に家でできるからという人は、PCを使うだけで昔の内職的な仕事と変わらないのではないでしょうか。組織に守られなくても大丈夫、または、SOHOのほうが力を発揮できる何かを持っている、そんな人ならば稼げると思いますが。
わたしがSOHOというワークスタイルで仕事をはじめたのは、今から10年前。ちょうど長女を出産する前後でした。会社を退職し、個人で請け負った最初の仕事は、翻訳。英語のマニュアルを日本語にする仕事です。辞書片手に10日。毎日6時間、それだけに集中しました。そして、手にした金額は1万9,000円。時給にすると、416円。会社で働いていたころは、毎日通って指示された仕事をすれば、お給料がもらえました。時給に換算すると、2,000円ぐらいはあったはず。でも、そのとき手にした1万9,000円は、わたしにとって何よりも価値がありしまた。組織のおかげではなく、自分の力だけで稼いだ1万9,000円。そのときの喜びが、次につながったことは言うまでもありません。
しかし、「SOHOで稼げるか」という現実問題の前には、当時のわたしなど、「ご主人の収入で生活できるから、そんなこと言えるのよ。単なる自己満足でしょう」の一言で終わり。「稼ぐ」という言葉は、「食べていける」「自分で生活していける」金額を手に入れることです。そういう意味でも、イー・ウーマンのメンバーの80%の方が「SOHOでは稼げない」と思っているのは、まさに現実でしょう。「SOHOで働くためには、自己評価と市場評価のアンバランスに耐える力が必要」という、ぼよんさんの言葉も、まさに的を得ていると思います。
この業界は、ここ数年、アンバランスによる悪循環を繰り返しています。「インターネットが普及する」→「在宅で仕事をしたい人が増える」→「安くても仕事を受ける人が出てくる」→「仕事の市場価格が下がる」→「仕事の質が落ちる」→「SOHOへの評価が下がる」→「仕事の発注が減る」→「仕事をしたい人が余る」→「安くても仕事を受ける人がでてくる」……、この繰り返しです。そして、さらに「在宅で仕事をしたい」という思いに、業者がつけこみ、「仕事を紹介する」という名目のもと、SOHO希望者にお金を払わせるビジネスまで横行してしまうのです。発注者は「SOHOは安かろう、悪かろうで使えない」、希望者は「SOHOではお金は稼げない」という概念が定着しつつある……。
本当にこのままでいいのでしょうか? SOHOでは、本当にお金を稼げないのでしょうか? 実は、わたしが4年前に会社を立ち上げたのは、SOHO業界のこの悪循環を打ち破りたかったからです。「SOHOでも稼ぐには、どうすればいいか」。このテーマでは、その答えを追っていきたいと思います。SOHOだけど、こうやってわたしは稼いでいる、という方のご意見もお待ちしています。
田澤由利
ワイズスタッフ代表取締役
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